研究課題/領域番号 |
22K09697
|
研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
宇野 光祐 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科, 講師 (20464828)
|
研究分担者 |
荒木 幸仁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 教授 (70317220)
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 教授 (80215946)
谷合 信一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 助教 (80433598)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 嚥下障害 / 口腔咽頭粘膜 / 遺伝子治療 / ベクター / 噴霧 |
研究実績の概要 |
嚥下障害の主要な病態の一つである口腔咽頭粘膜の知覚入力の減弱を粘膜のレセプターや感覚神経再生を標的とする遺伝子治療の手法を応用し改善することを試みている。方法として、①嚥下障害動物モデルの確立、②嚥下障害モデルの組織学的、分子生物学的評価による治療因子の探索、③ウイルスベクターによる遺伝治療導入効率の検討、④粘膜レセプター、感覚神経などを標的とした治療効果の検討を行う。 ①に関しては、上喉頭神経を挫滅・切断したモデルを作成した。上喉頭神経は内枝、外枝に分かれ、おもに咽頭知覚には内枝が関与する。内枝を選択的に損傷させることは困難であり、本モデルは声門閉鎖筋に作用する外枝にも損傷を加えることになる。声門閉鎖筋の損傷を評価するため、現在筋電図による精査を行っている。また、物理的な粘膜障害によっても咽喉頭の知覚低下を得られると考え、上気道に瘢痕・狭窄を来す気道熱傷ラットモデルを作成した。②に関しては前段階として、コントロールとして正常ラットの舌、咽頭、喉頭、肺を摘出し、組織標本を作製した。気道熱傷ラットモデルの組織標本とも比較検討した。③に関しては遺伝子治療に用いるウイルスベクターの選定および購入を行った。候補としてアデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターを選定し、レポーター遺伝子を搭載したコントロールベクターを購入した。セロタイプによって組織親和性が異なるアデノ随伴ウイルスベクターは、文献を参考にAAV-2, AAV-5, AAV-9, AAV-PHP.Sの4種類に絞った。今後、咽頭・喉頭粘膜に対するレポーターアッセイを行うにあたり、ウイルスベクターを咽頭・喉頭内に噴霧する手技も確立した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従来当研究室では遺伝子組み換えセンダイウイルスを投与した研究を行っていたが、ベクター提供元の契約が急遽終了してしまったため、コントロールベクターの選定から行うことになった。しかし並行して行っているベクター投与方法、組織学的評価に関しては順調に進捗しており、総合的に考慮すると進捗状況はやや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
導入効率のもっとも優れたベクターを選定し、確立した嚥下障害ラットモデル(舌咽神経および上喉頭神経の挫滅・切断モデル)に投与し、その後、口腔咽頭粘膜における受容体の免疫組織学的評価を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
高額なベクターの選定に関して再検討を行った。次年度購入する予定となったため、当初予定していたよりも物品費が安価となった。
|