研究課題/領域番号 |
22K09701
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
倉上 和也 山形大学, 医学部, 助教 (30571640)
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研究分担者 |
荒木 直人 山形大学, 医学部, 客員研究員 (10817373)
小泉 優 山形大学, 医学部, 医員 (80723585)
欠畑 誠治 山形大学, 医学部, 教授 (90261619)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 声帯麻痺 / 反回神経 / ROCK阻害薬 / 神経再生チューブ |
研究実績の概要 |
反回神経の再生は予てから取り組まれている命題であり、近年様々な神経再生チューブが開発され臨床応用されるなど研究が進められているが、未だ十分な効果が得られていないのが現状である。本研究では、神経・シナプス再生作用および神経保護作用を有することが明らかとなってきているROCK阻害薬による反回神経再生について解明することを目的として研究を行っている。 動物モデルを作成・評価するにあたり、硬性鏡やハイスピードカメラなどの必要機材の選定を行うことは非常に重要であり、先行論文からの実験系や必要設備・物品の確認を行い、現在必要機材の購入を進めている。また学会に参加し発表するとともに、他施設における神経再生研究の動向についての調査も行っている。 一側性声帯麻痺は反回神経障害を含めた様々な原因で起こりうる病態であり、実臨床でかなりの頻度で遭遇する。本研究で対象とするような神経損傷によるものもある一方で、挿管性や特発性など神経切断などの直接傷害以外でも起こりうるものであり、自然経過の中で麻痺の改善が認められる症例も散見される。自然治癒過程を辿る症例の病態や経過を研究することも、反回神経の回復・再生について研究する上で非常に重要であると考えられる。今年度は、実臨床における声帯麻痺の疫学、自然経過、自然治癒頻度、手術的介入頻度の調査研究を行った。これらの研究結果を、令和3年11月に京都市で開催された第67回日本音声言語医学会総会・学術講演会において、当科における一側性声帯麻痺症例の検討として、また令和4年3月に京都で開催された第35回日本喉頭科学会総会・学術講演会において、当科における一側性声帯麻痺に対する喉頭形成術症例の検討として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
反回神経傷害動物実験モデルの作成および評価に際して必要となる、硬性鏡およびハイスピードカメラの選定に時間を要しており、予定していた研究スケジュールと比較するとやや進捗が遅れている状況である。 一方で研究の背景となる実臨床でのデータ取集や評価・解析は恙無く進捗している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
成体ラットの反回神経を両側との切断したモデルラットを作成する。処置後8週で評価を行う予定のため、声帯麻痺をきたし且つ長期生存が可能な安定したモデルであることを確認する。モデルラットの一側の切断神経を対照とし、対側の切断神経を用いて神経再生の検討を行う。 神経縫合、神経再生チューブ、ROCK阻害薬を組み合わせ、神経再生の程度を比較し、ROCK阻害薬の神経再生効果について検討する。ROCK阻害薬については、緑内障治療薬として使用されている10mMを基に、濃度を振って至適容量を求める。 神経再生効果の判定については、体重や活動性の変化、喉頭ファイバースコピーおよびハイスピードカメラを用いた生理学的評価、内喉頭筋や粘膜下固有層の形態学的変化についての評価、シナプスマーカーであるCtBP2を用いたシナプス解析や抗ニューロフィラメント抗体などを用いた神経軸索の数量解析を免疫組織化学にて評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度購入予定であった機材の購入が遅れたため、繰り越しを生じた。 購入予定であった機材については次年度に行う予定であり、加えて実験に使用する消耗品および実験動物の購入に使用する予定である。
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