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2023 年度 実施状況報告書

内耳障害に対するステロイド治療のエビデンス構築のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K09725
研究機関神戸大学

研究代表者

柿木 章伸  神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (60243820)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードグルココルチコイド / ヒドロコルチゾン / 内リンパ水腫 / 鼓室内投与
研究実績の概要

本研究の目的は、突発性難聴を代表とする急性感音難聴やメニエール病などの内耳障害に対するステロイド治療の妥当性を検証することにある。ステロイド治療に関しては、突発性難聴ではエビデンスがなく、メニエール病においても研究者により有効性が異なり議論の余地がある。ステロイドの内耳に対する、薬理効果とその発現様式を解明することにより、エビデンスの構築に役立てる。
先行研究で正常モルモットにステロイド剤であるヒドロコルチゾンを全身投与すると内リンパ水腫が形成されることが明らかになった。当初は、in vivoでステロイド剤の全身投与により内リンパ水腫が形成される過程を観察する予定であったが、実験手技が困難なため、実験手法を以下の様に変更した。新たな実験では、正常モルモットにヒドロコルチゾンを鼓室内投与し、内リンパ水腫が形成されるか否かをOCTにて観察している。鼓室内投与に関しては、突発性難聴におけるサルベージ治療や難治性メニエール病の治療に行われているので、トランスレーショナルな研究方法と考えられる。
結果は、コントロール群に比してヒドロコルチゾン群は、先行研究と同様に内リンパ腔の拡大が認められる。正常蝸牛にヒドロコルチゾンが作用すると、グルココルチコイドにも存在するミネラルコルチコイド作用で、内リンパ水腫が形成されることが示唆される。今後、匹数を増やして統計解析を行う予定である。また、よりミネラルコルチコイド作用の少ないデキサメサゾンでも同様の研究を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初in vivoでグルココルチコイドによる内リンパ水腫形成の観察を予定していたが、実験手技が難しいため、グルココルチコイドを鼓室内投与し、ホルマリンにて固定、脱灰後にOCTで観察することに変更した。変更に伴い、実験をはじめからやり直しているので遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

ヒドロコルチゾンを鼓室内投与することにより内リンパ水腫が形成されることが明子となったので、匹数を増やして統計解析を行う予定である。また、よりミネラルコルチコイド作用の少ないデキサメサゾンでも同様の研究を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Live Imaging of the Dehydration Effect of Isosorbide on the Normal and Hydropic Guinea Pig Cochleae Using Optical Coherence Tomography2023

    • 著者名/発表者名
      Kakigi Akinobu、Egami Naoya、Fujita Takeshi、Uehara Natsumi、Yokoi Jun、Koda Kento、Nibu Ken-ichi、Yamashita Shinji、Yamasoba Tatsuya
    • 雑誌名

      Otology & Neurotology

      巻: 44 ページ: 833~837

    • DOI

      10.1097/MAO.0000000000003962

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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