研究課題/領域番号 |
22K09754
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
穐山 直太郎 東邦大学, 医学部, 講師 (90554238)
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研究分担者 |
福田 智美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40372776)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 外耳道扁平上皮癌 / メカノトランスダクション / 癌微小環境 / 細胞間接着分子 / 糖鎖修飾 |
研究実績の概要 |
外耳道扁平上皮癌は、病態や発症メカニズムについて不明な点が多い。本疾患では過度な耳掃除の習慣を有する患者が多く、力学的刺激の関与が示唆されるため、力学的刺激から生じる分子シグナル 答(メカノトランスダクション)に着目した。力学的刺激による細胞骨格や細胞間接着分子を介したメカノトランスダクションにより細胞増殖および細胞死抑制シグナルが亢進すると考えられており、初年度は初代培養細胞を用いてストレッチアッセイを行い、メカノセンサーのyes-associated protein (YAP)の免疫細胞化学による発現ならびに局在解析を行った。結果、YAPの発現上昇および核内移行の上昇が認められた。2023年度は再現性が安定する細胞株を用い、ストレッチアッセイを行った。結果、コントロール細胞および癌細胞でYAPの発現上昇を認め、メカノトランスダクションを誘導する重要な分子の一つである細胞間接着分子L1 cell adhesion moleculeはコントロール細胞と比較して癌細胞株において発現が上昇する結果が得られた。すなわち、コントロール細胞と比較して癌細胞はストレッチストレスの影響を受けやすい可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞株を用いることで実験結果の再現性が得られ、順調に研究が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
培養細胞株を用いて糖鎖修飾関連分子の解析を進め、さらに、ヒト組織切片を用いて疾患特異的な病態解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
初代培養細胞を用いた解析で順調な結果が得られてはいたが再現性が安定しないため、細胞株を用いた解析を行った。そのため、本年度に予定していた糖鎖解析が未実施となり、余剰を生じた。次年度以降で再現性が安定した細胞株を用いて糖鎖解析を行う予定である。
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