研究課題/領域番号 |
22K09761
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 孝太 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50732327)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 緑内障 |
研究実績の概要 |
マーモセットES細胞から網膜神経節細胞やアストロサイトへの分化誘導を試みたが、分化誘導効率が極めて低く、ヒトiPS細胞やヒトES細胞と同じプロトコルの実験条件であっても動物種の違いにより分化誘導効率が大きく異なることが明らかとなった。また、昨年度に実施したウイルスベクター投与眼の解剖をおこない、網膜神経節細胞や視神経のマーカー抗体による免疫染色を実施した。ウイルスベクターに搭載したEGFPと網膜神経節細胞マーカーが共局在を示したことから、マーモセット眼に投与したウイルスベクターは網膜神経節細胞に感染していることが確認され、またEGFPの発現が明瞭であったことから本試験に用いたプロモーターは、マーモセット眼の網膜神経節細胞において目的遺伝子を発現誘導することが可能であることも確認できた。興味深いことに、ウイルスベクターはマーモセット網膜の特定の領域に感染しており、セロタイプによる指向性が存在する可能性が示唆された。一方で、マーモセット網膜神経節細胞に対するウイルスベクターの導入効率が低いことが判明した。そのため、今年度はウイルスタイターを増加させ再度硝子体内投与を実施した。さらに、眼底写真イメージングの画像クオリティを改善するために撮影条件を検討し、視神経線維や視神経乳頭が明瞭に観察可能な撮影条件を得ることができた。今後、ウイルスタイター由来のEGFPを検出する蛍光眼底撮影を経時的に実施することで、ウイルスベクターの感染状況を非侵襲的に評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マーモセットES細胞から網膜神経節細胞やアストロサイトへの分化誘導効率が極めて低く、当初計画されていた実験を実施することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
マーモセット眼球組織を用いた緑内障関連遺伝子の発現様式について調査する実験を実施する。また、昨年度にAAV2ベクターを投与したマーモセット眼のイメージングを経時的に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
マーモセット眼球組織を用いた緑内障関連遺伝子の発現様式について調査する実験を実施するため。また、昨年度にAAV2ベクターを投与したマーモセット眼のイメージングを経時的に実施するため。
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