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2022 年度 実施状況報告書

病的近視発症リスク予測モデルの開発に向けた前向きコホート研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K09767
研究機関九州大学

研究代表者

安田 美穂 (宮崎美穂)  九州大学, 大学病院, 特別教員 (00336033)

研究分担者 園田 康平  九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
二宮 利治  九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
上田 瑛美  九州大学, 医学研究院, 助教 (30911359)
藤原 康太  九州大学, 大学病院, 医員 (80808121)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード病的近視 / 疫学調査 / 危険因子
研究実績の概要

病的近視は、わが国の失明原因の上位を占め、網膜の変性により進行性の視覚障害をきたす疾患である。しかしながら、病的近視が発症する要因については十分に解明されていない。近年、眼軸長や網脈絡膜厚などの眼科要因および加齢や循環障害や炎症などの全身要因と病的近視の関連が注目されており、病的近視発症には全身因子・遺伝因子・環境因子が複雑に絡み合っていると考えられる。病的近視の増加に歯止めをかけ、その予防を含めた総合的な対策を構築するためには、疫学研究によって地域住民における病的近視の実態を把握し、いまだ解明されていない危険因子・防御因子を同定することは必要不可欠である。
2022年および2023年は日本人代表的なサンプル集団と考えられている久山町住民に対して、大規模健診を行い、データ収集を行う。ベースライン、追跡調査のデータとして①近視に関する検査(屈折、眼軸長等)②網膜画像データ(網膜厚、脈絡膜厚等)③遺伝子データ④視覚環境に関わるデータ(質問紙による電子機器の使用歴)⑤教育歴 ⑥全身データ(年齢、性別、家族歴及び病歴に関する情報、喫煙歴、運動、飲酒歴等の生活習慣、高血圧、糖尿病、脂質異常症等の内科疾患)を測定する。さらに近視に関わるデータを含み得られたデータを、遺伝子解析から得られた遺伝子データと統合して、データベース化し解析できるようにする。
来年度は追跡調査から得られた眼科臨床所見の結果を加え、眼科要因、全身要因、遺伝子要因と病的近視発症との関係を縦断的な解析で明らかにしていく。さらに、眼科要因・全身要因と遺伝的要因の相互作用について解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は2022年に約3,500例の眼底写真、眼科・内科的因子、遺伝因子についても既にデータ収集している。2022年のベースライン調査のデータとして①近視に関する検査(屈折、眼軸長等)②網膜画像データ(網膜厚、脈絡膜厚等)③遺伝子データ④視覚環境に関わるデータ(質問紙による電子機器の使用歴)⑤教育歴 ⑥全身データ(年齢、性別、家族歴及び病歴に関する情報、喫煙歴、運動、飲酒歴等の生活習慣、高血圧、糖尿病、脂質異常症等の内科疾患)を測定し、データベース化をおこなった。さらに予定通り、2023年にも大規模調査を実施し、眼科的因子に加えてあらゆる全身的因子を再度調査し、継続的な追跡研究を行う予定である。本研究における研究基盤や解析体制は整っており、十分実現可能である。

今後の研究の推進方策

2023年も大規模調査を実施し、眼科的因子に加えてあらゆる全身的因子を再度調査し、継続的な追跡研究を行う。それらをデータベース化し、病的近視と関連する生活習慣、環境要因、遺伝要因を同定し、それらの相互作用について決定し、同定された因子について病的近視発症リスク予測モデルを確立する予定である。住民健診に関しては、住民の理解と久山町の協力が得られており、久山町に常設されている健康管理センターにおいて施行することができる。健康管理センターにおける健診の施設、検査機器は整っており、今後も継続的に詳細な眼科健診、内科健診など包括的な全身検査が施行できる状況である。

次年度使用額が生じた理由

研究に際しておこなう検診事業について、今年度の検診に必要な人件費の費用が当初の予定費用より低くおさえられたため、次年度使用額が生じた。次年度は最新コンピュータ機器のレンタル費用などの支払いがかかるため、その費用に使用する見込みである。

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公開日: 2023-12-25  

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