研究課題/領域番号 |
22K09770
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中馬 秀樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20244204)
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研究分担者 |
日高 貴子 宮崎大学, 医学部, 助教 (00751140)
池田 康博 宮崎大学, 医学部, 教授 (20380389)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 正常眼圧緑内障 / アドレノメデュリン / 短後毛様動脈 / ミオグラフ |
研究実績の概要 |
1.正常眼圧緑内障ラットモデルの作成(1)ベースラインとしての時間、日単位の定期的なラットの眼圧測定を行い、視神経乳頭の写真記録を行った。2)正常眼圧緑内障ラットモデルの作成前段階としてラット虚血性視神経症(rNAION)を作成した。介入操作として、まずローズベンガル(Rose Bengal, RB)液 (2.5mM, 1 ml/kg) をラットの尾静脈より静注し、 その後左眼のみに視神経乳頭に514 nmアルゴングリーンレーザーを12秒間照射した。その後にレーザーのエネルギー量、照射時間を少なくして血流を低下させ、乳頭腫脹を生じさせない程度を模索した。視神経乳頭の写真記録、蛍光眼底造影検査所見、血管鋳型標本、光干渉断層検査(OCT)による網膜神経線維層厚の測定を試みた。 2.アドレノメデュリンの白色家兎単離短後毛様動脈に対する作用とその機序 虚血性視神経症の責任血管であるとされる、白色家兎の単離短後毛様動脈に対するアドレノメデュリンの作用を、ミオグラフを用いて薬理学的に検討した。高カリウム液や、アドレナリン投与により収縮させた単離短後毛様動脈にアドレノメデュリンを投与し、血管弛緩作用および、濃度依存性があるかどうか、その持続時間を検討した。アドレノメジュリンは単離家兎後毛様動脈を弛緩させた。アドレノメジュリン濃度を変化させたときの血管弛緩作用から、アドレノメジュリンは濃度依存に血管を弛緩させることが分かった(n=9)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床的に多忙で、十分な時間を実験にかけることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
(1)ベースラインとしての時間、日単位の定期的なラットの眼圧測定をより多く、安定して測定できるようになる。加えて視神経乳頭の写真記録、蛍光眼底造影検査所見、血管鋳型標本、光干渉断層検査(OCT)による網膜神経線維層厚の測定、HRTによる視神経乳頭リム面積の測定、組織標本による神経節細胞の減少、神経線維層厚の減少、網膜外層の保存、蛍光顕微鏡を用いた網膜神経節細胞の観察、数の測定、網膜電図(ERG)、視覚誘発電位(VEP)、Scotopic ThresholdResponse(STR)の測定を行い、記録する。 (2)正常眼圧緑内障ラットモデルの作成 視神経乳頭の緑内障性の形態の変化を確認するため、視神経乳頭の写真記録、蛍光眼底造影検査所見、血管鋳型標本、光干渉断層検査(OCT)による網膜神経線維層厚の測定、HRTによる視神経乳頭リム面積の測定、組織標本による神経節細胞の減少、神経線維層厚の減少、網膜外層の保存、蛍光顕微鏡を用いた網膜神経節細胞の観察、数の測定を行う。続けて、視神経の機能を調べるため、ERG、VEP、STR)の測定を行い、記録する。それぞれ、正常ラットのベースラインとの比較、NTGとの相同性の比較を行う。また、安定したモデルが作成されるための適正なローズベンガル液の濃度、量、アルゴングリーンレーザーのパワー、照射時間も検討する
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次年度使用額が生じた理由 |
故障がちで安定した出力ができなかく、レンタル予定であったレーザーの調子が良く、本年度使用した頭数では十分に実験ができたため。次年度以降数や期間を 延ばしてレンタルしたい。
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