研究課題/領域番号 |
22K09789
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 華子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (20372162)
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研究分担者 |
岩井 祥子 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (00768905)
長谷川 智子 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(RPD) (90802760)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 網膜色素変性 / 腸内細菌 / 自己抗体 / 自己免疫 |
研究実績の概要 |
膜色素変性をはじめとする網膜変性疾患では、原因遺伝子が同一であっても、あるいは同胞であっても、疾患の進行や症状には差異があることをよく経験する。つまり、網膜変性疾患において、遺伝的要素のみならず何等かの環境要因が病態形成に関与する可能性がある。また、変性過程で網膜に浮腫が生じたり、硝子体内に炎症細胞の浸潤が見られたりすることがある。一方、眼関連網膜症や自己免疫網膜症では、網膜細胞に対する自己抗体が産生されることで網膜障害が進行するが、その進行や病状には、網膜色素変性との類似点が多い。また、網膜色素変性患者において自己抗体が検出されたとの報告も散見される。このように、変性疾患において、病態に炎症や自己免疫が関与している可能性が示唆される。本研究では、網膜変性における、腸内細菌ならびに自己免疫の関与を検討することとした。 変性モデルマウスを用いた検討により、rd10やrd12マウスにおいて、腸内細菌(ー)群では、変性抑制効果があることを、ERG検査並びにOCT検査、組織学的検討から明らかにした。また、網膜色素変性患者を対象とした臨床研究を行い、同意を得た患者から、糞便サンプルを収集し、DNAを抽出した。一部サンプルは、細菌ゲノムの解析中である。サンプルは、起点、1,4,8カ月後に収集しており、一部サンプルは、現在も収集中である。また、血清からの自己抗体検出目的で、現在までに自己免疫性網膜症、癌関連網膜症にて明らかになっている9種類の網膜抗原をvitroで合成し、精製した。ウェスタンブロット法にて、市販抗体を用い、想定サイズにバンドが検出できることを確認した。一部患者血清を用いた検討を開始した。また健常コントロール血清を収集し、健常コントロールでの自己抗体の有無に関する検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに研究を推進できている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、計画に基づき、研究を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験は予定通りに進行しているが、購入予定であった抗体類に関して、他プロジェクトの残余があり、昨年度は購入不要となったもの等があり、少々残額が生じた。 今年度には、試薬類で昨年度購入予定であったものを購入する必要があると考えられるため、残額をその購入に充てる予定である。
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