研究課題
現在産学連携の共同研究として高速SS-OCTの開発およびそれを基盤とした2つの測定プログラムのプログラムの創出に従事している。1.網膜のEZ層における高密度en faceイメージング:OCT信号減衰(AC)、スペックルノイズの除去および2値化法を用いて、黄斑部の網膜外層微細構造をen faceimeイメージングで2次元的に解析するプログラムの構築を行っている。本法の導入により従来問題となっていた網膜血管などのプロジェクションアーチファクトの除去が可能となる。また前述の画像処理により観察対象としたEZの構造異常が疑われる領域はdark areaで表示され、従来の解析方法と比較し、より繊細なEZレベルのen faceイメージングでの解析が可能となる。現在は基本的なプログラムの構築を終えて(投稿中)、臨床研究として本プログラムに適合する疾患の選別と、標的とした疾患でのプレリミナルな評価を開始した段階である。2.網膜血管の血管径別血流速度のイメージング:高速のサークルスキャンと低速のラウンドスキャンを組み合わせた、あらたなスキャン方法を開発し、広範な領域における網膜の層別(浅層および深層)かつ3種の血管径別(>40 μm、20~40 μm、<20 μm)のvariable interscan time analysis (VISTA) 法を用いた解析プログラムの構築を行った。本法が有効と思われる糖尿病網膜症や加齢黄斑変性を対象として疾患別の測定および解析プログラムの創出を行っている。これまではラスタースキャンを用いた狭い領域のVISTA法は報告されていたが、本システムにより画角が著しく拡大され、モーションアーチファクトも概ね消失する。基盤技術は完成しており(業績記載および投稿中)、現在健常コントロールおよび臨床症例を用いて、解析プログラムの構築中である。
2: おおむね順調に進展している
すでに上記の2つの課題についてそれぞれコア技術については本研究年度中に論文化して投稿している(in submission)。また各種臨床データの取得を概ね終えたところである。
残りの年度をかけ解析プログラムの検証と改良、さらにそれに基づく臨床症例での解析行い実用化への道筋を検討していく。
本課題では企業との共同研究を遂行しており共同研究契約により獲得した外部資金と並行して本科研費を使用している。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)
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