研究課題/領域番号 |
22K09798
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
根岸 一乃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (10228281)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 近視 / メラトニン / 生活の質 / 睡眠 / 気分障害 / 主観的幸福度 / 内分泌 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は大学生の近視度数が、全身の健康とQuality of Life(QOL)、また、神経内分泌に与える影響を検討することであり、視覚機能に加えて複数のQOL尺度を評価することにより、近視患者の心身の健康状態を詳細に検討し、さらにサーカディアンリズムと関係の深い神経内分泌機能を測定することが特徴である。対象者の選択基準としては、同意取得時の年齢が20歳以上で、本研究の内容を理解したうえで文書による同意取得が可能なものとしている。被験者背景としては、年齢、性別、眼疾患ならびに全身疾患の既往歴、近視矯正の方法などを取得する予定である。QOLの尺度としては、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、気分尺度(HADS),主観的幸福度(SHS)、うつ尺度(CES-D)、ドライアイ質問票(DEQS)のデータを収集する。また、神経内分泌機能は唾液と尿の検体を用いてメラトニン、セロトニン代謝物質、トリプトファン代謝物質を測定する予定である。主要評価項目としてはPSQI,副次評価項目として、近視度数、角膜曲率半径、眼軸長、脈絡膜厚などの生体計測データ、神経内分泌機能測定、およびPSQI以外のQOL尺度を設定している。 今年度は、研究を開始するために倫理申請を行い、2022年7月29日に慶應義塾大学医学部倫理委員会の承認(承認番号20221050)を得、同日に実施許可を得た。その後、準備期間を経て2023年1月23日よりデータ収集を開始し、2023年3月31日現在、データ数は14例である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者は学生を対象とする予定であるが、2022年度はコロナ禍で、オンライン講義とオンライン実習が増加し、被験者が来校する機会が非常に少なかったため、リクルートがおくれ、結果としてデータ収集がおくれており、現在取得データ数は14例である。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり、2022年度に引き続き、2023年度も目標症例数に達するまで症例を集積する。関連研究の情報収集に努める。現状においては臨床実習のために登校する学生から被験者ボランティアを募集するが、収集が遅れる場合は、他の方法でのリクルートも検討する。また、一定数集まったところでデータの分析を開始し、追加検査の必要性や経過観察時期の調整を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
被験者登録が遅れ、被験者に対する謝金、消耗品、検体検査費用等の支出が予定より少なっている。これを次年度に繰り越して引き続き予定症例数に達するまで被験者登録を行う予定である。これに伴い今年度繰り越した金額も含めて支出を予定している。
|