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2022 年度 実績報告書

網膜代謝変化が網膜病態に与える影響の解析と代謝への介入による治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09828
研究機関東北大学

研究代表者

大学 玲子  東北大学, 医学系研究科, 学術研究員 (10770604)

研究分担者 阿部 俊明  東北大学, 医学系研究科, 教授 (90191858)
謝 玉てい  東北大学, 医学系研究科, 学術研究員 (70939280)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2023-03-31
キーワードHMGN1 / 網膜機能 / 網膜色素上皮細胞 / ミトコンドリア機能 / 視細胞
研究実績の概要

視細胞は生体で最もATPを必要とする細胞の1つと言われており、状況に応じてATP生産を効率よく実施している。R2-3年度の挑戦的萌芽研究の成果から、核蛋白質HMGN1はエネルギー代謝に関与することが示された。私たちは細胞外フラックスアナライザー(Agilent Technologies社)を用いてHMGN1欠損細胞の呼吸代謝のプロファイリングを行い、核蛋白質HMGN1欠損細胞では、細胞が低酸素および低栄養な状態ではWTに比べて解糖系の活性が高くTCAサイクルの活性が低い傾向があり、細胞が酸素および栄養の十分な状態の場合は解糖系に影響はないがTCAサイクルの活性が低い傾向があることが示された。そこで、HMGN1が影響を及ぼすタンパク質を絞り込むため、mRNAを抽出し、RNA-seq解析およびGSEA解析を実施した。その結果、HMGN1KO細胞では、解糖系、TCAサイクル、Oxphos、脂肪生産に関与する遺伝子群、さらにはアミノ酸トランスポーターの遺伝子の一部など幅広い遺伝子群の発現の低下傾向が示され、HMGN1は幅広いターゲットの遺伝子発現制御に関与している可能性が示された。
HMGN1KOマウスはWTに比べて優位に網膜電位が低い傾向にある。HMGN1KOマウスの網膜色素上皮(RPE)細胞のみにHMGN1を発現させたHMGN1-HMGN1KOマウスでは網膜電位の回復がみられた。このことから、RPE細胞にHMGN1が発現していることが、視細胞の正常な機能に必要であることが示された。
生後4週間からパルミチン酸を多く含む高脂肪食を8週間与えたKOマウスは網膜電位がWTと同等にまで回復した。また、パルミチン酸を培地に加えた場合の呼吸代謝プロファイリングを行ったところ、ミトコンドリアのプロトンリークが回復の傾向を示した。
以上の事柄を含めて現在投稿準備中である。

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公開日: 2023-12-25  

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