研究課題/領域番号 |
22K09843
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
北岡 康史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10367352)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | オートファジー / AMPK / 緑内障 / nicotinamide / neurofilament |
研究実績の概要 |
視神経軸索障害モデルとして高眼圧モデルも検討した。高眼圧モデルラットの視神経軸索数は従来我々が確立したプラスチック切片をparaphenylene-diamineで染色しソフトウェアでの定量を行った。India ink前房内投与後アルゴンレーザー施行により、高眼圧群を作成し、高眼圧後3週間で、視神経軸索数は有意に減少した。この時、nicotinamide riboside内服投与群も作成した。Nicotinamide riboside内服投与群では軸索減少が有意に抑制された。この視神経軸索保護に加え、網膜内の神経線維の評価も、網膜フラットマウントのneurofilament免疫染色で行った。この免疫染色のintensityをソフトウェアで解析し、高眼圧での有意な低下は、nicotinamide riboside内服により有意に抑制された。この時内服群の眼圧は高いままであり、軸索保護には眼圧以外の要素の関与が考えられた。視神経をサンプルにウエスタンブロットを施行し、リン酸化AMPKを評価したが、内服群で有意に上昇していた。リン酸化AMPKの局在を免疫組織染色で検討した。視神経のneurofilamentとリン酸化AMPKは共存していた。さらにnicotinamide adenine dinucleotideの含有量をassay kitで検討した。これは当初視神経サンプルでトライしたが、サンプル量が少なすぎで失敗に終わった。しかしながら、網膜をサンプルにして再トライし、定量に成功した。Nicotinamide riboside内服群では、コントロール群に比して、nicotinamide adenine dinucleotide量が網膜で有意に増加していた。今回リン酸化AMPKが上昇していることが新たに判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記を論文化することができた。またオートファゴソームのbiosynthesisも電顕で検討し、論文化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ROCK阻害剤や他の緑内障点眼薬によるリン酸化AMPKの変化も検討し、また引き続きmTORへの影響も検討したい。mTORの把握のためリン酸化p70S6Kやリン酸化Raptorの蛋白発現を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
抗体や試薬は研究室のストックのものも使用でき、節約できた。次年度は新しい分子蛋白の検討のため新規抗体購入に本研究費を使用し、さらなる研究を継続する予定である。
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