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2023 年度 実施状況報告書

真皮micrograft移植による自家培養表皮の生着率向上

研究課題

研究課題/領域番号 22K09858
研究機関京都大学

研究代表者

坂本 道治  京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40445044)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードリジェネラ / 培養表皮 / skin micrograft / 熱傷
研究実績の概要

本研究では、広範囲熱傷の救命率を改善するため、培養表皮移植に真皮micrograft移植を組み合わせる新規治療法の実現可能性について検討する。昨年度にF344ラット皮膚を用いて真皮micrograftを作製し、形態学的評価およびin vitroでのbioassayを行ったのに引き続き、今年度はC57BLマウスを用いて真皮micrograftを作製し、これに含まれるサイトカイン量・in vitroにおける細胞増殖促進能の評価を行った。
マウス皮膚由来真皮micrograftはbFGF, EGF, VEGFを含み、NIH3T3 cellの増殖を促進した。この細胞増殖促進効果は、部分的にではあるがbFGF, EGE, VEGFそれぞれの阻害剤で抑制され、これらの成長因子が関与していることが示された。また、マウス皮膚欠損創にマウス皮膚由来真皮micrograftを投与すると、血管新生・創の肉芽形成を促進し創縮小を早めることが確認された。
このことから、micrograft移植による創傷治癒促進効果は生細胞の移植・生着のみに依存せず、ECMや生理活性物質の供給によるものであると考えられた。
in vivo実験としてF344ラット由来培養表皮を、F344ラット背部に作製した皮膚欠損創モデルに移植するモデルを作製した。このモデルにおいて、ラット真皮micrograft懸濁液を投与し培養表皮の生着を確認したが、現在のところ培養表皮の生着が確認できず、モデルの検討を続けている。
本研究によって、自家培養表皮移植と自家真皮micrograft移植を併用することにより、自家培養表皮の生着率を向上することができれば、広範囲熱傷治療の治療成績を向上させることにつながる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Rigeneraを使用して作製した真皮micrograft移植と自家培養表皮移植を併用したラット皮膚欠損創モデルにおいて、自家培養表皮の生着が得られず、実験モデルの再検討を行っている。
このため、進捗にやや遅れを生じている。

今後の研究の推進方策

研究計画に沿って、F344ラット全層皮膚より採取した線維芽細胞を用いたbioassayを行う。加えて、F344ラットに培養表皮を移植するモデルを作製し、micrograftを播種することで生着率を確認するとともに、ヒト皮膚micrograftとヒト培養表皮を用いてヌードマウス皮膚欠損創への移植実験を行う。
真皮micrograft懸濁液に含まれる成長因子などの成分をマルチプレックス サスペンションアレイにて測定する。
真皮micrograftを移植する際の最適な播種密度について検討する。

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公開日: 2024-12-25  

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