研究課題/領域番号 |
22K09864
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
須永 中 自治医科大学, 医学部, 講師 (00406117)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脂肪由来幹細胞 |
研究実績の概要 |
Prx1発現細胞特異的にCre recombinaseを発現するPrx1Creマウスと、Cre recombinaseを発現した細胞において赤色蛍光色素Ai14を発現するRosa26-LSL- tdTomatoマウス(Ai14マウス)、I型コラーゲン発現細胞がEGFPを発現するCol1/EGFPマウスを交配することにより、Prx1発現細胞に由来する細胞がtdTomatoを恒久的に発現し、なおかつI型コラーゲン発現細胞がEGFPを発現するPrx1Cre;Ai14;Col1/EGFPマウス(PAGマウス)を作製した。PAGマウスの鼠径脂肪より脂肪由来幹細 胞(tdTomato陽性ADSCs)を抽出・培養し、温度反応性ディッシュを用いて脂肪由来幹細胞シート(tdT-ADSCシート)を作製した。 続いて、マウスの頭蓋骨欠損モデルの確立を試みた。様々な方法を試したが、操作による致死率が高く、作製に難渋した。かろうじて成功した8週齢のマウスに対し、予備実験としてtdT-ADSCシートを移植し、4週後の創部の組織を蛍光顕微鏡で観察したが、tdTomato陽性はごくわずかしか残存していなかった。 また、マウス背部の皮膚欠損創モデルを作製し、tdT-ADSCシートを移植した。移植群はコントロール群よりも創治癒が早い傾向があった。移植後の創部を移植1,4週間後に蛍光免疫染色にて観察したところ、1週後の組織にはtdTomato陽性GFP陽性の細胞を認め、移植したtdTomato陽性ADSCsが皮膚の創傷治癒過程におけるコラーゲン生成に寄与していることが示された。しかし、4週後の組織ではtdTomato陽性GFP陽性の細胞は減少していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度科研費からの継続課題であったが、コロナ禍により遺伝子改変マウスをそれぞれの単系統ごとに系統維持できるギリギリの匹数まで減らしてしまっていたため。
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今後の研究の推進方策 |
頭蓋骨欠損モデルへの移植実験は一旦保留とし、皮膚欠損創モデルに対する実験を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度にコロナ禍による研究活動制限のため、遺伝子改変マウスの繁殖を維持のみを目的とする匹数まで減らしていたため、年度の大半をマウス交配による遺伝子改変マウス作製にあてていたため。今年度は当初の計画に従って研究を行い、研究費を使用予定である。
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