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2023 年度 実施状況報告書

小児頭位性頭蓋変形に対する経時的3Dスキャン画像解析によるヘルメット治療の検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K09869
研究機関東京歯科大学

研究代表者

田中 一郎  東京歯科大学, 歯学部, 客員教授 (10171737)

研究分担者 坂本 好昭  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10464835)
梶田 大樹  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (30723267)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード乳児頭位性頭蓋変形 / 頭蓋形状矯正ヘルメット療法 / 斜頭症 / 短頭症 / 頭蓋顔面形状評価システム / 3Dスキャン
研究実績の概要

1.頭位性頭蓋変形に対するヘルメット治療における、経時的な3Dスキャン撮影画像解析による治療経過・有効性の検証:(1)小児頭位性頭蓋変形のヘルメット 治療を行った乳児3000例を対象として、初診時と1か月毎の再診時(5-6か月間)に頭部3Dスキャン撮影を行い、撮影画像を専用の頭蓋形状評価システムにより解析した。斜頭、短頭、斜頭+短頭の各々の変形につき、重症度で分類し重症度毎に以下の検討を行った。開始月齢と有効性の関係、治療開始から月毎の改善度変化、頭位増大と改善度の関係、開始月齢と治療終了時期の関係などにつき統計学的解析を行い、治療経過と有効性の評価を行った。(2)ヘルメット装着時間につき、ヘルメット製作会社による専用アプリ開発に協力し、アプリ利用の家族が記載した情報から詳細な装着時間の分析を行った。(3)皮膚障害などの合併症につき、家族が入力する専用アプリから詳細な分析をするシステム作成を行った。(4)治療終了後に家族より取得する治療満足度調査をオンライン上で可能とし、得られた情報からの詳細な分析を可能とするシステムを作成した。(5)これらより合併症の頻度や程度、開始月齢・ 治療期間・装着時間・装着方法等と合併症の関係、治療満足度に影響を与える因子の検討を行った。
2.3Dスキャン撮影画像を利用した新たな3次元的な頭蓋顔面形状評価システムの開発と臨床応用:耳介・側頭・前額・頬部の 前方偏位などの頭蓋顔面変形の評価法のアルゴリズム作成を行い、耳介についてはシステム実装し、臨床データを使って精度検証を行った。
3.本邦における小児の頭位性頭蓋変形の診断・予防・治療の啓蒙、発症の防止や治療への適切な導入:日本頭蓋健診治療研究会、関連学会(小児・新生児科、形成外科、脳外科)等での発表・講演を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.頭位性頭蓋変形に対するヘルメット治療における、経時的な3Dスキャン撮影画像解析による治療経過・有効性の検証:(1)ヘルメット治療を行った乳児3000 例以上に対して、初診時と1か月毎の再診時の頭部3Dスキャン撮影と頭蓋形状評価システムによる解析を行った。これらのデータを元に、斜頭、短頭、斜頭+短 頭の各々の変形につき、重症度で分類し重症度毎に以下の検討を行った。開始月齢と有効性の関係、治療開始から月毎の改善度変化、頭位増大と改善度の関係、 開始月齢と治療終了時期の関係などにつき統計学的解析を行い、治療経過と有効性の評価を行い、英文論文で報告した。(2)ヘルメット装着時間、皮膚障害などの合併症、治療終了後に家族より取得する治療満足度調査より、合併症の頻度や程度、開始月齢・治療期間・装着時間・装着方法等 と合併症の関係、治療満足度に影響を与える因子(開始月齢、重症度、改善度、治療期間、合併症の有無など)の検討を行った。(1)、(2)とも概ね順調に実施できた。
2.3Dスキャン撮影画像を利用した新たな3次元的な頭蓋顔面形状評価システムの開発と臨床応用:形状評価システムの開発として、耳介・側頭・前額・頬部の 前方偏位などの頭蓋顔面変形の評価法のアルゴリズム作成を行い、耳介についてはシステム実装も行い、臨床データを使って精度検証を行った。しかし、まだシステム開発の始めであり、アルゴリズム作成で試行錯誤の段階である。
3.本邦における小児の頭位性頭蓋変形の診断・予防・治療の啓蒙、発症の防止や治療への適切な導入:広く社会への啓蒙・普及を目指し、日本頭蓋健診治療研究会、関連学会(小児・新生児科、形成外科、脳外科)等での発表・講演を行い、概ね順調に実施できた。

今後の研究の推進方策

臨床データの取得・解析による治療の有効性や治療方法の評価、頭蓋顔面形状評価システムの開発を引き続き行う。また研究成果をまとめて国内及び国際学会で の発表、論文投稿、研究に関するホームページ作成などを行なう予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)コロナ感染対策として国内外への移動制限の影響、また感染を危惧しての自粛もあり、国内外学会への参加に関する旅費の使用が少なかった。また、論文作成・投稿に関する費用(英文校正、図表作成、統計の依頼)に関しては、無料のアプリやAIを適時利用することでコスト削減をはかることができ、費用支出が少なった。これらの理由により、新規の今年度分の使用残高が多くなった。
(使用計画)臨床データの取得・解析による治療の有効性や治療方法の評価、頭蓋顔面形状評価システムの開発を引き続き行う。また研究成果をまとめて国内及び国際学会での発表、論文投稿、ホームページ作成などを行なう予定である

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] Efficacy of Cranial Orthosis for Plagiocephaly Based on 2D and 3D Evaluation2024

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Kajita, Ichiro Tanaka, Hiroaki Komuro, Shigeru Nishimaki, Isao Kusakawa, Koichiro Sakamoto
    • 雑誌名

      Arch Plast Surg

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1055/a-2222-1494. eISSN 2234-6171.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 乳児頭位性斜頭症のヘルメット矯正療法における、開始月齢による治療効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      田中一郎、梶田大樹
    • 学会等名
      第66回日本形成外科学会総会・学術集会
  • [学会発表] 乳児頭位性頭蓋変形の専門クリニックにおける頭蓋形状矯正ヘルメット治療の現況と展望2023

    • 著者名/発表者名
      田中一郎、梶田大樹、坂本浩一郎、小室広昭、西巻滋、草川功、工藤裕実、広川大輔、土佐泰祥、白尾謙一郎、藤井貴子
    • 学会等名
      第51回日本小児脳神経外科学会、シンポジウム
  • [学会発表] 重度頭位性斜頭症のヘルメット矯正療法における、開始月齢による治療効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      田中一郎、梶田大樹、坂本浩一郎
    • 学会等名
      第51回日本小児脳神経外科学会
  • [学会発表] 頭位性斜頭症(重度)のヘルメット矯正療法における開始月齢と治療効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      田中一郎、草川功、西巻滋
    • 学会等名
      第59回日本周産期・新生児医学会
  • [学会発表] 良性先天性筋緊張低下症と頭蓋変形の検討2023

    • 著者名/発表者名
      西巻 滋、工藤裕実、阪本浩一朗、梶田大樹、広川大輔、土佐泰祥、草川 功、小室宏昭、田中一郎
    • 学会等名
      第9回日本頭蓋健診治療研究会
  • [学会発表] 変形性斜頭症に対する矯正用ヘルメットのズレに関する検討2023

    • 著者名/発表者名
      梶田大樹、田中一郎
    • 学会等名
      第32回日本形成外科学会基礎学術集会
  • [学会発表] 変形性斜頭症に対するヘルメット治療の効果-専門クリニック1,038症例の重症度・開始月齢別の検討2023

    • 著者名/発表者名
      梶田大樹、田中一郎、草川功、西巻滋
    • 学会等名
      第68回日本新生児成育医学会
  • [学会発表] 頭位性短斜頭症及び短頭症のヘルメット矯正療法における、短頭率の重症度と開始月齢による治療効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      田中一郎、梶田大樹、草川功、西巻滋
    • 学会等名
      第68回日本新生児成育医学会
  • [学会発表] 良性先天性筋緊張低下症の乳児では位置性頭蓋変形が多い2023

    • 著者名/発表者名
      西巻 滋、梶田大樹、草川 功、田中一郎
    • 学会等名
      第66回日本新生児成育医学会
  • [学会発表] 変形性斜頭症に対するヘルメット治療の効果 -専門クリニック1,038症例の重症度・開始月齢別の検討2023

    • 著者名/発表者名
      梶田大樹、田中一郎
    • 学会等名
      第41回日本頭蓋顎顔面外科学会

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公開日: 2024-12-25  

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