研究課題/領域番号 |
22K09899
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
畔 熱行 関西医科大学, 医学部, 講師 (20509492)
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研究分担者 |
覚道 奈津子 関西医科大学, 医学部, 教授 (00509490)
日原 正勝 関西医科大学, 医学部, 講師 (00351536)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 組織保存 / 氷点下非凍結保存 / 電圧印加 / 切断四肢 |
研究実績の概要 |
電圧負荷式冷蔵庫における温度電圧の最適条件の確立と保存限界検討を行った。ラット(近交系F344 雄;10週令)を使用した、これは同胞系ラットであり組織移植が可能である。CO2吸引供死後に大動脈を採取しリン酸緩衝液 のシャーレ内に保管して保存を行った。a)一般冷蔵庫4℃ 0v b)電圧負荷式冷蔵庫-2℃ 1000v 保存期間 a)0日 b)1日 c)2日 保存後の大動脈を切開展開してφ2mmデルマパンチを使用して均一な血管のdiscを作成採取しCCK(Cell Counting Kit)にて染色し、吸光度測定により組織の細胞の生存率を評価した。結果:電圧印加過冷却で-2℃1000Vに保存した動脈組織の生存率を、電圧印加なしで4℃に保存した組織の生存率を比較検討した。 1日目に-2℃1000V、4℃0Vで保存した動脈組織の生細胞に差は見られませんでした。2日目には、-2℃1000Vで保存した動脈組織は0日に比べ 71%が生存していたのに対し、4℃0Vでは 50%であった。 実際の症例に即した保存後の検体の採取を行い生存率を検討した。a)一般冷蔵庫4℃ 0vb)電圧負荷式冷蔵庫-2℃ 1000v 保存期間3日間で供死後密閉したパックにいれてそのまま検体を保存し、その後大動脈を摘出して同様にφ2mmトレパンにて採取しCCK(Cell Counting Kit)にて染色し、吸光度測定により組織の細胞の生存率を評価した。結果:電圧印加過冷却で-2℃1000Vに保存した動脈組織の生存率を、電圧印加なしで4℃に保存した組織の生存率を比較検討した。-2℃1000Vで3日間保存した場合、動脈の細胞の生存率は、4℃0Vで保存した対照ラットのよりも高い結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電圧負荷式冷蔵庫における温度電圧の最適条件の確立と保存限界検討でCCK(Cell Counting Kit)にて染色し、吸光度測定により組織の細胞の生存率を評価した結果では-2℃1000Vで保存した動脈組織は0日に比べ組織の生存率が高いという結果となった。このことは電圧負荷式冷蔵庫による組織保存が、組織生存率を高めることを示唆しており、これからの実験に対して継続して使用できることを示した。
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今後の研究の推進方策 |
電圧負荷式冷蔵庫における温度電圧の最適条件の確立と保存限界検討でCCK(Cell Counting Kit)にて染色し、吸光度測定により組織の細胞の生存率を評価した結果、組織保存の延長効果が期待できた、その最適な温度電圧の評価を再検討していく。電圧負荷式冷蔵庫における温度電圧の最適条件の確立と保存限界検討を進めていく。検体の保存方法を統一していく。電圧負荷式冷蔵庫が別の会社より同様の機構をもったもので作成販売されている、同様の効果があるか検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在ある物品にて実験計画が進行したため次年度に繰り越しをした。令和4年度に実行できなかった実験を行う予定である。電圧負荷式冷蔵庫-2℃ 3000v 電圧負荷式冷蔵庫-4℃ 3000vでの保存実験を行い電圧、温度の変化による保存の条件を検討する。実験保存期間4日~の実験を行い電圧温度を変えて組織の生存率を検討する。
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