研究課題/領域番号 |
22K09949
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
飯塚 麻菜 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (80734821)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | シェーグレン症候群 / 自己反応性T細胞 / BCR |
研究実績の概要 |
シェーグレン症候群 (Sjogren’s syndrome; SS) は、慢性唾液腺炎、涙腺炎を主徴とする国の指定難病に認められた臓器特異的自己免疫疾患である。慢性の炎症疾患であり、病態が進行すれば、悪性リンパ腫の出現リスクも高く、予後は悪くなる。しかし、SSの詳細な発症機序および病態進行因子は解明されておらず、根本的な治療法はなく、対処療法に頼るのみである。本研究はSSと非常に類似した病態を呈するTh17のマスター転写因子であるRORγtをT細胞に過剰発現させたRORγtトランスジェニックマウス (RORγt Tg) を用いて、SSの発症機序を解明するものである。 これまでに、RORγt TgマウスにおけるSS様唾液腺炎の発症には、CD4+ T細胞が原因細胞であること、また自己抗体が必要条件であることを明らかにしてきた。そこで、本年度は唾液腺炎誘導に関与する自己抗体の詳細な解析を行った。唾液腺に浸潤しているB細胞をシングルセルソートし、BCRの配列を確認した。オリゴクローナルに増殖しているBCRクローンを再構築し、リコンビナント抗体 (rIgG) を作製した。rIgGを用いて、唾液腺炎誘導能を確認したところ、いくつかのクローンにおいて病因性が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
病変局所において、オリゴクローナルに増殖しているBCRを認めることができた。さらに、それらのクローンを再構築し、リコンビナント抗体を作製、機能評価するところまで進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、病因性を持つBCRクローンが認識する自己抗原の探索を行う。また、自己抗体による病原性CD4+ T細胞の活性化機序についても、検討を行う。
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