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2022 年度 実施状況報告書

歯周病と動脈硬化―微細炎症合併日本人型軽度肥満モデルでの検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K09968
研究機関九州大学

研究代表者

岩下 未咲  九州大学, 歯学研究院, 助教 (80611326)

研究分担者 西村 英紀  九州大学, 歯学研究院, 教授 (80208222)
櫛山 暁史  明治薬科大学, 薬学部, 教授 (30435820)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード動脈硬化 / CCL19 / 脂肪組織
研究実績の概要

高脂肪食負荷群では通常食負荷に比べ、野生型マウスおよび、脂肪細胞特異的にChemokine (C-C motif) ligand 19(CCL19)を高発現させたCcl19 knock-in(KI)マウスのいずれにおいても内臓脂肪組織でのPai1(Plasminogen Activator Inhibitor 1)、ICAM-1(intercellular adhesion molecule-1)、VCAM-1(vascular cell adhesion molecule-1)の遺伝子発現が有意に増大した。加えて、高脂肪食群間の比較では、これらの遺伝子が野生型マウスに比べCcl19KIマウスでより有意に発現が亢進した。したがって、高脂肪食によりCcl19KIマウス脂肪組織では、野生型マウスに比べ、より強く血管内皮細胞が傷害や刺激を受けている可能性が考えられた。
また、高脂肪食負荷群では、野生型マウスに比べCcl19KIマウスの内臓脂肪組織におけるheparin-binding epidermal growth factor-like growth factor(HB-EGF)の遺伝子発現が有意に増大した。
これらの結果から、高脂肪食負荷によりCcl19KIマウスでは野生型マウスに比べ、脂肪組織における血管内皮細胞の活性化、凝固性亢進など血管の恒常性維持機能の破綻および、動脈硬化促進に関与する遺伝子の発現が亢進していることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験に使用予定のマウスの作製に時間を要しているため、計画よりやや遅れている。準備できたモデルを用いて順次解析を進めている。

今後の研究の推進方策

高脂肪食負荷によりCcl19KIマウスでは野生型マウスに比べ、脂肪組織における動脈硬化促進に関与する遺伝子発現が亢進していることが示されたことから、動脈硬化モデルApoE-/-マウスとCcl19KIマウスを交配して作製したCcl19KI-ApoE-/-マウスにおいて、①代謝異常を発症しやすい日本人が歯周病に代表される軽微な炎症を合併した際に動脈硬化が進展するかどうかを明らかにする。さらに同モデルにおいて、②動脈硬化病変の初期に発現が変動する新規分子を同定する。

次年度使用額が生じた理由

実験に使用予定のマウスの作製に時間を要しているため、計画よりやや遅れている。高脂肪食負荷によりCcl19KIマウスでは野生型マウスに比べ、脂肪組織における動脈硬化促進に関与する遺伝子発現が亢進していることが示されたことから、今後は動脈硬化モデルApoE-/-マウスとCcl19KIマウスを交配して作製したCcl19KI-ApoE-/-マウスを用いた検証を進め、動脈硬化病変の初期に発現が変動する新規分子を同定する。

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公開日: 2023-12-25  

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