研究課題/領域番号 |
22K09969
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
川上 克子 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00423145)
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研究分担者 |
白方 良典 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60359982)
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60381183)
野口 和行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90218298)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | BMP9 / MTA / 歯根端切除 |
研究実績の概要 |
歯根嚢胞や難治性の根尖病変に対して従来の感染根管治療では治癒が見込めない場合、歯根端切除術が適応となる。歯根端切除術後の良好な治癒は、歯根切断面上のセメント質・歯根膜の再生を伴った骨欠損部の新性骨形成である。しかし従来法では 根尖切断面の逆窩洞充填のみで術後の治癒は宿主・環境に依存し、病巣と骨欠損部が広範に及ぶと瘢痕性の治癒や術後違和感が生ずることが少なくない。本研究では、BMP-9と足場材(MTA)のバイオアクテイブ効果を最大限に活用することで根尖部に歯周組織を確実に再生させる外科的再生歯内治療の開発を目的としている。in vivoではビーグル雄成犬を用い、対象部位の歯の抜髄後、デンタルプラークを根管内に填入し、一定期間後にデンタルX線写真にて根尖病変が発症していることを確認する。次に感染根管処置を行った後に根管充填を行う。歯根端切除においてはMTAを用いて逆根管充填を行う。次に根尖部に規格性を持たせた骨欠損を作製し、大きな根尖病変を作製する。根尖部組織の治癒の状態を評価することによってMTAによる逆根管充填のみでは良好な治癒を得られない骨欠損のサイズを決定する。実験的処置ー作製した骨欠損に 1. 処置なし 2. 担体のみ 3. BMP-9/担体、の3群の処置を無作為に施術する。術後評価ー放射線学的評価:術後2週ごとにデンタルX線撮影を行い放射線学的評価を行う。観察期間終了後、動物の安楽死を行い実験部位 のμCT撮影を行い、3次元的な骨欠損の縮小傾向および骨密度の解析を行う。組織学的評価:脱灰薄切標本を作製し、ヘマトキシリンエオジン 染色、およびアザン染色等を行い、セメント質、歯根膜および骨の治癒像について組織学的評価を行うと共に、組織形態計測による評価を行う 。現在、根尖病変の作成は行えるが、大きな根尖病変の評価を行うためのサイズ設定を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ビーグル犬の供給が不十分であり、動物実験が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroとin vivo実験を行う。治癒の時間の設定を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験後に費用が発生するため。来年度以降に動物が必要になる。
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