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2022 年度 実施状況報告書

細胞成長因子デリバリー格子状シートを用いた新規歯周再生治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09985
研究機関九州大学

研究代表者

祐田 明香  九州大学, 大学病院, 助教 (20814081)

研究分担者 濱野 さゆり  九州大学, 歯学研究院, 助教 (40757978)
和田 尚久  九州大学, 大学病院, 教授 (60380466)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード酸化グラフェン / スキャフォールド / 細胞成長因子 / 歯周組織再生治療
研究実績の概要

歯周病は、嫌気性細菌を主とする歯周病原菌が感染し、生体側の反応の結果生じる炎症に起因しており、主に歯と歯肉の付着の喪失、歯根膜組織の破壊、歯槽骨の吸収などの症状が現れる。さらに、重度の歯周病は、歯周組織に不可逆的な損傷を引き起こし、その結果として歯の喪失を招くこととなる。以前より、歯科領域では、「歯周組織再生療法」の研究が行われ臨床応用もされているが、未だに再生療法の適応症の範囲には限りがある。それゆえ、より有効な歯周組織再生療法の開発が待ち望まれている。1993年、「組織工学」という概念が提唱され、細胞・成長因子・足場の3種が揃うことが必要とされてきた。生体内では、細胞が分化・増殖する場合、細胞外マトリックスが足場として機能し、構築を行っている。組織が損傷した場合、組織が再生される間、一時的に足場材料を補う必要がある。つまり、「足場」は再生医療を実現するために不可欠な因子であると考えられる。しかし、現行の歯周組織再生療法は、「足場」を既存の歯周組織に求め、新たに「足場」を構築するという概念が導入されていない。
本研究では、歯周再生療法における足場に注目する。1)生体親和性を持つ基材に酸化グラフェンを付着させた足場の作製、2)細胞成長因子を含有させた足場材が細胞に及ぼす影響の検討、3)歯周組織欠損および歯周病モデルラットへの移植実験を行うことにより、歯周組織再生の方法を確立することを企図している。
当初は、酸化グラフェンを主体とした格子状のシートを作製し、足場とする予定であったが、再度、酸化グラフェンの特性を考えた結果、酸化グラフェン主体の場合、組織親和性が低下する可能性が考えられたため、既存の基材に酸化グラフェンを付着させた足場材を作製することとした。現在、足場材の準備が進み、細胞成長因子を含有させた場合、細胞に及ぼす影響の解析を進めているが、研究の進捗状況はやや遅れている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は、酸化グラフェンを主体とした格子状のシートを作製し、足場とする予定であったが、再度、酸化グラフェンの特性を考えた結果、酸化グラフェン主体の場合、組織親和性が低下する可能性が考えられたため、既存の基材に酸化グラフェンを付着させた足場材を作製することとした。現在、足場材の準備が進み、細胞成長因子を含有させた場合、細胞に及ぼす影響の解析を進めているが、酸化グラフェンを付着させる基材の選定に時間を要したことなどから、研究の進捗状況はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

酸化グラフェンを付着させた足場材に細胞成長因子をコーティングしたスキャフォールドの解析を、ヒト歯根膜幹細胞を使用し、細胞に及ぼす影響、さらに、マウスの頭蓋への埋植実験、歯周組織欠損や歯周病モデルラットへの移植実験にて、in vitroおよびin vivoの実験をほぼ同時に行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該助成金が生じた理由として、実験の進捗状況がやや遅れていることが考えられる。
次年度は、実験をさらに進めるにあたり、実験材料費が前年度より生じる予定である。
今後も、実験材料費、また研究結果発表予定のため学会参加費として使用予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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