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2023 年度 実施状況報告書

細菌-環境-宿主因子間の相互作用から紐解く歯周病の新たな宿主標的治療の開発基盤

研究課題

研究課題/領域番号 22K09987
研究機関東京歯科大学

研究代表者

齋藤 淳  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60266559)

研究分担者 今村 健太郎  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60755007)
国分 栄仁  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70453785)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード歯周病原細菌
研究実績の概要

歯周炎はプラークバイオフィルムの歯周病原細菌の感染を主な病因とし、宿主因子や環境因子も複雑に関与する多因子性疾患である。本研究は歯周炎の発症および進展に重要な細菌-環境-宿主因子間の相互作用の視点から、新規予防・治療法を開発することを目指して一連の実験を行った。
P. gingivalis Hgp44のアミノ酸配列199-316領域から分割して15個の合成ペプチド(Pep1-15)を作製した。Pep5を用いて,T. denticolaとの付着をELISAにて,T. denticolaとのバイオフィルム形成に与える影響を共焦点レーザー顕微鏡 (CLSM) を用いて解析した。Pep5とT. denticola の付着は,control(合成ペプチド無添加時)に比較して有意に高かった。CLSMによる観察の結果,Pep5(0.25nmol/ml)存在下において,P. gingivalis とT. denticola のバイオフィルム形成が阻害された。今後もPep1-15が2菌種のバイオフィルム形成に及ぼす影響を検討する。
Treponema denticola の、あるDNA binding protein の遺伝子欠損株において、網羅的な遺伝子発現解析を行った。その結果、欠損株において、本菌のLrr タンパク質をコードする遺伝子の発現量が野生株と比較し有意に増加した。さらにウエスタンブロット解析の結果、欠損株のLrr タンパク質の発現量は野生株と比較し有意な増加を示した。これらの結果から、DNA binding protein は本菌のLrr タンパク質の発現調節に関与することが示唆された。このLrr タンパク質は、アミノ酸配列より、細菌と宿主上皮細胞との付着に関与する機能を持つと予測された。そこで我々はLrr 欠損株を作出し、共焦点レーザー顕微鏡にて細胞侵入能を評価した。細胞侵入したLrr 欠損株の菌数は、野生株と比較して有意に低下した。したがって、DNA binding protein はLrr タンパク質の発現調節に関与し、本菌の宿主上皮細胞侵入に関わることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

引き続きP. gingivalisで,Pep1-15を介した細菌間の物理的な結合により,バイオフィルム形成にどのような変化が生じるかの検討が困難であったため。

今後の研究の推進方策

P. gingivalisにおいては,細菌間の物理的な結合により,バイオフィルム形成に及ぼす変化についてさらに検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

予定実験の進捗が遅れたため。今年度予定の実験と進捗が遅れた実験を平行して実施し,適切に支出する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Characterization of a novel transcriptional regulator of Treponema denticola2023

    • 著者名/発表者名
      Hisanaga R, Kitamura Y, Yamashita K, Saito A, Ishihara K
    • 学会等名
      The 71st Annual Meeting of Japanese Association for Dental Research
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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