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2022 年度 実施状況報告書

2段階薬剤放出性第4世代スキャフォールドの歯周組織再生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K10012
研究機関北海道大学

研究代表者

西田 絵利香  北海道大学, 歯学研究院, 専門研究員 (50779882)

研究分担者 宮治 裕史  北海道大学, 大学病院, 講師 (50372256)
大矢根 綾子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (50356672)
中村 真紀  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (00568925)
赤坂 司  北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (00360917)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードバイオミメティックコーティング / 複合層 / アパタイト / フッ素 / スキャフォールド / リン酸カルシウム
研究実績の概要

アパタイト2層構造化による2段階薬剤放出性第4世代スキャフォールド構築のため,初年度はまず1層目の構築・評価を行った.
1層目として,アパタイトの難溶化(溶解性低下)と抗菌性の期待される生体微量元素(フッ素)を種々の濃度(0~1000 uM)でCaP過飽和溶液に添加し,スキャフォールド上にフッ素含有アパタイト層を作製した.
その結果,スキャフォールド内部および外部表面への均一なフッ素含有アパタイト層の生成を確認し,過飽和溶液へのフッ素添加濃度の増加により生成するアパタイト層のフッ素置換率(F/P比で評価)向上が認められた.
成膜後のスキャフォールドを生食に浸漬して溶解性等を評価したところ,過飽和溶液へのフッ素添加濃度の増加に伴い,生食中へのアパタイトの溶解量(7日後)は減少した.アパタイト結晶にフッ化物イオンが取り込まれることにより,層の難溶化したと考えられる,また,生食中へのフッ素溶出量も増加した.
以上より,フッ化物イオンをバイオミメティックコーティング法によりアパタイト層に取り込むことに成功した.フッ化物濃度の増加とともにアパタイト層の溶解度が低下し,減少した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画に基づいて研究を進めた.アパタイト2層構造化による2段階薬剤放出性第4世代スキャフォールド構築のため,初年度はまず1層目の構築・評価を行った.試料の条件設定についてさらに評価を行い,ラットの動物実験に移行したい,

今後の研究の推進方策

これまでの研究で得られた結果に基づき,骨組織再生用スキャフォールドとして,異なるbFGF徐放挙動を示すbFGF担持フッ素含有アパタイト層を成膜したコラーゲンスポンジを作製し,その機能評価を進める。作製したスキャフォールドを,走査電子顕微鏡(SEM),エネルギー分散型X線分光分析による構造・組成分析を行い,成膜後のスキャフォールドを生理食塩水に浸漬し,各薬剤および元素の放出挙動についてELISA法を用いて調べる.
また,スキャフォールド表面に骨芽細胞様細胞を播種・培養し,細胞の増殖・骨分化に与える効果についても評価を行う.
以上の結果から選定されるスキャフォールドをラット頭蓋骨欠損モデルに移植し,骨組織再生に対する足場材としての有効性を検証する.

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス感染症のため,学会発表や打ち合わせなど遠方に行く機会が減ってしまったことが考えられる.次年度は動物実験を予定しているため,当初よりも値段も高騰しているため,物品やラット購入費に充てる予定である.

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公開日: 2023-12-25  

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