研究課題/領域番号 |
22K10052
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中根 綾子 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30431943)
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研究分担者 |
戸原 玄 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 教授 (00396954)
山脇 正永 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30302855)
石川 欽也 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 教授 (30313240) [辞退]
田頭 いとゑ 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 非常勤講師 (50826683)
吉住 結 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60771863)
尾崎 研一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60460557)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 咳反射 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
咳反射は加齢で変化しないと言われているが、高齢者や嚥下障害者の咳反射は減弱していることがある。そこで不顕性誤嚥のスクリーニングテストとして汎用されている咳テストを用いて、若年者や高齢者および嚥下障害者において咳テストを実施した。対象者は若年者群(21名:平均年齢32歳)、高齢者群(18名:平均年齢78歳)と嚥下障害者群(16名:平均年齢75歳)であった。結果として、若年者群は全員咳反射がみられたが、高齢者群は50%、嚥下障害者群は80%であった。また初回の咳までの誘発時間は若年者群が高齢者群および嚥下障害者群より有意に早かった。1分間当たりの咳の回数も若年者群が高齢者群や嚥下障害者群より有意に多かった。咳の誘発時間や回数について統計学的に調整を行ったところ、risk factor of SCIと年齢が影響を及ぼしている因子であった。また、ロジスティック回帰分析の結果、咳反射の有無についてrisk factor of SCIに有意なオッズ比を認めた。以上より、高齢者や嚥下障害者の咳反射が減弱している場合には、risk factor of SCI存在が影響している可能性が示唆された。 次に、慢性疾患を有する高齢者の咳反射には何が影響するのかを明らかにするために、頭部単純CT所見を用いて咳テストと脳の加齢性変化との関連性を後方視的に探索した。対象者は急性期病院リハビリテーション科の入院患者のうち、嚥下機能評価と同時期に脳のCT撮影を行った65歳以上の男女169。対象者の内訳は男性61名、女性108名、平均年齢は88.2±7.4歳であった。 咳テスト陽性が143名、咳テスト陰性が26名であった。CT画像所見にて脳の加齢性所見あり群は全体の約95%だった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行調査として咳テストとrisk factor of SCIの関係を明らかにした。その後、咳テストとCT画像所見との関係について後ろ向きに調査のデータ収集を終了し、現在統計解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、咳テストとCT画像所見との関係について後ろ向きに調査のデータ収集を終了し、統計解析中である。その調査結果をもとに、論文の投稿を検討している。また、咳テストとMRI画像所見との関係について、調査を開始している。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の残額と合わせて機器を購入予定だったが、価格改定により予算をオーバーしたため、一部機器の購入を見送った。次年度購入予定である。
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