研究課題/領域番号 |
22K10066
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
木本 統 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (10267106)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 軟質リライン材 / 食品のテクスチャー |
研究実績の概要 |
目的:食品の物性が軟質リライン使用全部床義歯装着者の咀嚼へ及ぼす影響を検討することを目的として、現在軟質リライン材裏装全部床義歯装着者の咀嚼への効果が食品の機械的特性により異なるか否かを基礎研究にて明らかにする研究を行っている。 方法:軟質リライン材裏装試験体と軟質リライン材非裏装試験体上でグミゼリーをテクスチャーアナライザーにて圧縮し、テクスチャーの変化を観察している。軟質リライン材裏装試験体に用いる軟質リライン材にはソフリライナーS、ソフリライナーMS、ソフリライナーMとし、軟質リライン材非裏装試験体はトクヤマリベースを用いリラインを行った試験体を用いている。グミゼリーにはUHA味覚糖咀嚼能力測定用グミゼリーを用い、室内の温度は口腔内を想定して36℃にて行っている。 結果:リライン材の硬さは、ソフリライナーS→ソフリライナーMS、ソフリライナーM→トクヤマリベースの順序で硬くなる。ソフリライナーS、ソフリライナーMS、ソフリライナーM、トクヤマリベースで裏装した試験体上でグミゼリーを圧縮すると、グミゼリーの硬さは有意に変化した。グミゼリーの硬さは、裏装材の硬さと同じ傾向を示し、ソフリライナーS、ソフリライナーMS、ソフリライナーM、トクヤマリベースで裏装した試験体上の順で硬くなった。このことは、義歯床用材料の硬さが食品の硬さを変化させる可能性を示唆している。すなわち、軟らかい試験体上で測定を行うと、グミゼリー本体の軟らかさに近づき、義歯床が硬くなればなるほど同じ食物を咀嚼しても、食物が硬いテクチャーを持つことを意味している。 今後の予定、現在食品の硬さのみを測定しているが、この時粘膜面に加わる荷重を圧力センサーにて同事測定し、食品の硬さの変化と共に、粘膜面に加わる圧をシュミレーションしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1年が経過した現在、義歯床用材料の硬さが食品の硬さを変化させる可能性を示唆できた点では満足できている。この結果をうけ、昨年度中に食品の硬さのみをのみの測定でなく、食品荷重時の時粘膜面に加わる荷重を測定する予定であった。しかしながら、測定装置の納品が遅れ昨年度中に研究が始めることが出来なかった。このことが、「やや遅れている」の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
現在食品の硬さのみを測定しているが、この時粘膜面に加わる荷重を圧力センサーにて同時測定し、食品の硬さの変化と共に、粘膜面に加わる圧をシュミレーションしていく予定である。さらに、無歯顎患者を被験者とした臨床試験を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度購入予定であった粘膜面側の圧力測定のための想定装置及び備品が品不足の為、購入できず今年度予算にて測定機器を購入することとした。したがって、今年度に圧力測定システムを構築するため、圧力センサー、データロガー、PC購入のため未使用額を使用する。
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