研究課題/領域番号 |
22K10071
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
猪越 正直 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (90753715)
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研究分担者 |
山口 哲 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (30397773)
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | メッシュレス解析 / 有限要素 / マルチレイヤー / 機械的強度 / 接着ブリッジ |
研究実績の概要 |
本研究では、混合組成マルチレイヤージルコニアを用いたモノリシックジルコニア接着ブリッジ製作のための臨床術式の確立を目的とし、①数理科学的解析(in silico解析)を用いてモノリシックジルコニア接着ブリッジに最適な支台歯形成デザインと補綴装置のデザインを確立し、②最適なデザインで製作したモノリシックジルコニア接着ブリッジの破壊強度・疲労強度をin vitro試験にて明らかにする。 2023年度は、実験2としてCADデータ作成とin silico解析による応力シミュレーションを実施し、in silico解析のためのCADデータ作成と、非線形動的有限要素法によるシミュレーション解析を行った。歯列模型を用い、上顎右側側切歯を欠損状態として設定し、上顎右側中切歯に対する以下の4通りの支台歯形成デザインモデルを準備し、CADデータを作成した:1) 形成無し;2) 舌側面 0.5 mm削除;3) 舌側面 0.5 mm削除 + 維持孔の付与;4) 舌側面 0.5 mm削除 + 維持孔 + 隣接面ボックスの付与。次いで、これらの支台歯形成デザインに対して、CADソフトウェア(exocad, exocad GmbH)を用いてモノリシックジルコニア接着ブリッジのデザインを行った。2022年度に実施した実験1で得られた4 mol%、5 mol%イットリア部分安定化ジルコニア(4YSZ, 5YSZ)の物性値を参照し、4YSZ、5YSZでデザインされたモノリシックジルコニア接着ブリッジについて、非線形動的有限要素解析を用いた応力解析を行った。 本実験で得られた研究成果については、関連国際学会にて報告予定である。さらに、結果を英語論文にまとめて国際学術雑誌に投稿する準備を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は実験2として、in silico解析による応力シミュレーションを実施した。具体的には、有限要素法によるin silico解析を実施し、モノリシック接着ブリッジの支台歯形成デザインの違いによって補綴装置の破壊強度が変化することが示唆された。一方で、当初予定していた混合組成マルチレイヤージルコニアを用いた解析は実施途中であり、2024年度に引き続き解析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は混合組成マルチレイヤージルコニアのin silico解析の実施と、最適なデザインで製作したモノリシックジルコニア接着ブリッジの破壊強度を測定する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験2でのin silico解析が完了していないことより、予算に余剰が生じた。余剰分については次年度以降の実験にかかる費用として充当する予定である。
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