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2023 年度 実施状況報告書

顎骨における腎性骨ミネラル代謝異常のマルチスケール解析と戦略的マネジメント

研究課題

研究課題/領域番号 22K10105
研究機関九州歯科大学

研究代表者

近藤 祐介  九州歯科大学, 歯学部, 講師 (00611287)

研究分担者 野代 知孝  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00829781)
宗政 翔  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40852489)
向坊 太郎  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)
細川 隆司  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
正木 千尋  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60397940)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード慢性腎臓病 / 顎骨 / ナノインデンテーション
研究実績の概要

慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は近年増加しており、本邦における患者数は1,300万人以上とされる。CKDには症状がないことも多いが、全身に多くの影響を与える。その影響は口腔内にも及び、歯周病の罹患率が上昇することはメタアナリシスからも明らかであり(Kapellas et al. Nephrology. 2019)、その要因としてCKDが引き起こす骨代謝異常の関与が疑われる。しかしその詳細を解明した研究はなく、さらに、CKDが引き起こす骨代謝異常は複数の臓器によるフィードバックを受け複雑な病態を示すことから、CKDが顎骨へ与える影響にも不明な点が多いと言わざるを得ない。そこで、CKDが顎骨の代謝、骨質へ及ぼす影響を明らかにすることを目指し、本申請課題を立案した。
昨年度までにCKDモデルラットを確立し、組織学的解析とマイクロCTによる解析にてCKD群とコントロール群を比較した。その結果、骨細胞数は上顎ではCKD群において有意に少なかったが、下顎では両群間に差を認めなかった.また全骨小腔に対する骨細胞の存在しない骨小腔の割合は上顎では両群間に差を認めなかったが、下顎ではCKD群において有意に増加していた。破骨細胞数は上顎ではCKDにより有意に増加し、下顎では両群間に差を認めなかった。また、マイクロCT解析の結果からCKDは体積率の低下(空隙量/皮質骨量の上昇)を引き起こし、それは下顎より上顎でより顕著であることが明らかとなった。さらにナノインデンテーション試験の結果から、応力-ひずみ曲線における弾-塑性転移点および損失弾性率は、上顎ではCKD群においてコントロール群より有意に低かった。一方、下顎では弾-塑性転移点と損失弾性率ともに両群間に差を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CKD動物モデルの確立、組織学的解析、マイクロCT、ナノインデンテーションを行い、それらをまとめ論文投稿し、受理された。

今後の研究の推進方策

これまでの結果に加え、主にナノインデンテーションとラマン分光法にてCKDが上顎骨、下顎骨に及ぼす影響を更に解明する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Chronic kidney disease compromises structural and mechanical properties of maxillary cortical bone in a rat model2023

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Sotaro、Kondo Yusuke、Watanabe Chie、Nodai Tomotaka、Munemasa Takashi、Mukaibo Taro、Masaki Chihiro、Shibata Yo、Hosokawa Ryuji
    • 雑誌名

      Journal of Prosthodontic Research

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.2186/jpr.JPR_D_23_00016

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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