研究課題/領域番号 |
22K10107
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
藤田 崇史 明海大学, 歯学部, 助教 (10874779)
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研究分担者 |
藤澤 政紀 明海大学, 歯学部, 教授 (00209040)
三浦 賞子 明海大学, 歯学部, 准教授 (60431590)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | additive manufacturing / 積層造形法 / 付加製造法 / 3Dプリンタ / ジルコニア |
研究実績の概要 |
本研究課題の積層造形法により製作したジルコニアの色調再現の研究に先立ち、材料学的物性についての研究と報告を行ってきている。 これまでに積層造形法にて製作したジルコニアの機械的性質は,造形方向の異方性によって曲げ強さに影響を及ぼすことを報告した。 しかし、ジルコニア特有の低温劣化(low-temperature degradation, 以下: LTD)と造形方向の異方性との関連ついては明らかになっていないため、LTDが積層造形したジルコニアの機械的性質(曲げ強さ,曲げ弾性率,ビッカース硬さ,破壊靭性値)に及ぼす影響について検討した。試料の製作として、液槽光重合法によるセラミックス3Dプリンター(Ceramaker C900,Sinto3DCeram)および専用ジルコニアペースト材料(3DMIX ZrO2,Sinto3DCeram)を使用した。試験片製作のためのデータの配置は、層方向に対して試験片の長軸方向を平行、斜め、垂直の3方向に設定した各試験の結果,曲げ強さでは、造形方向に対して垂直に積層した場合が、最も高い数値であったが、曲げ弾性率、ビッカース硬さおよび破壊靭性値では、造形方向の違いによる測定値に大きな差はみられなかった。 本実験結果から、LTDは付加製造ジルコニアの機械的物性への影響は極めて小さいと考えられる、その研究成果を本年度の日本補綴歯科学会第132回学術大会にて報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象群として製作している切削加工法により製作した板状のジルコニアに対しての着色を行っているが、同一の浸漬時間であっても焼結後の色調にむらがあり、歯科用分光測色計にて計測しても色差が大きく出ることから、適する浸漬方法や条件を再検討しているため、やや進捗が遅れている。クラウン形態にて浸漬し、着色した際に起こり得ることも含めて共同研究者と検討中である。また、積層造形法にて製作する試料においては、3Dプリンティング用のペーストに着色液を混和することで、新たなジルコニアへの着色方法として確立できないか、という点を新東Vセラックスと検討しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
切削加工法および積層造形法にて製作した板状の試料への適する浸漬条件、浸漬方法を明らかにし、浸漬時間による色調の変化の違いを研究成果として報告する。 また、経時的な色調の変化についても研究していく予定である。サーマルサイクル試験を行い、切削加工および積層造形法にて製作したジルコニアの色調の経時的変化を測色し、比較検討していく。その際は、歯科用分光測色計にて、着色直後と試験後との色差を算出する。その後、試料をクラウン形態にして、板状試料と同一条件下で色調を付与しその結果を報告する。 さらに、色調むらを改善する方策を検討し、切削加工と積層造形法にて製作したクラウン形態の試料を用いて研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
板状試料における予備実験において、着色液への浸漬後の焼結にて着色にむらが認めれた。最終的にはクラウン形態での色調再現方法を確立していく予定であるが、まずは板状試料にて着色むらが起こらない条件を検討した。以上のことから、計画通りの研究遂行が叶わなかったことや、学術大会での成果発表はオンライン開催となる学会もあったため、旅費の使用額が予定よりも少なくなったことが原因と考えられ。しかし。今年度は成果発表として国際学会(IADR)に参加する予定である。 使用計画は、主にジルコニア試料の製作費、材料費として充当する予定である。
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