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2023 年度 実施状況報告書

ジルコニア補綴装置の長期安定性に向けた表面改質とレジン接着

研究課題

研究課題/領域番号 22K10109
研究機関日本大学

研究代表者

小峰 太  日本大学, 歯学部, 教授 (90287657)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードジルコニア / ラミネートベニア / 適合 / 陶材焼成
研究実績の概要

焼結前または焼結後のジルコニアに長石系陶材を塗布して焼成する2つの内面処理方法が,高透光性ジルコニアLVsの辺縁および内面適合性に及ぼす影響を評価した。
上顎中切歯に対するLVs修復を想定し,支台歯としてレジン製人工歯を用いた。ダイヤモンドポイントを用いて,唇側面の歯頸側1/3を0.3 mm,切縁側2/3を0.5 mmの削除量で支台歯形成を行った。歯科用CAD/CAMシステムを用いてジルコニアLVsを製作した。その内面処理条件として,以下の3つの方法を採用し(n = 11);ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布してジルコニアと同時に焼結させるpre-firing群,ジルコニア焼結後に長石系陶材を塗布して焼成するpost-firing群,および長石系陶材を塗布しないno treatment群に分けた。ジルコニアLVsと支台歯との辺縁適合および内面適合は,シリコーンレプリカ法を用いて評価した。辺縁間隙量の評価は,近心側,遠心側,切縁側,歯頸側でそれぞれ15点,内面間隙量の評価は,切縁側,中央部,歯頸側でそれぞれ3点について,レーザー走査顕微鏡を用いて拡大率200倍で行った。その後,LVsを割断し,走査電子顕微鏡を用いてジルコニアと長石系陶材の断面を観察した。
以下の結論を得た。1.高透光性ジルコニアLVsの辺縁適合において,ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布してジルコニアと同時に焼結させる内面処理は,ジルコニア焼結後に長石系陶材を焼成する内面処理と比較して良好であった。2.高透光性ジルコニアLVsにおいて,ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布してジルコニアと同時に焼結させる内面処理は,均一な内面適合を獲得することができた。3.ジルコニア焼結前に長石系陶材を塗布して焼結させる内面処理は,長石系陶材がジルコニア表面に浸透し,ジルコニアに取り込まれたシリカ層の形成が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ジルコニア表面の改質したラミネートベニアの適合について,研究結果解析,論文作成および雑誌掲載がなされており,当初の研究計画に沿った進捗状況である.一方で,ジルコニア表面の改質したラミネートベニアの破壊抵抗の評価については,予期していない研究データが認められるため,評価方法の再検討を行い,実験を継続している.以上を鑑みて,おおむね順調に研究は進行していると考える.

今後の研究の推進方策

今後は,ジルコニア表面の改質したラミネートベニアの破壊抵抗の評価について,研究結果解析および破壊様式の評価を実施する予定である.また,新しい種類のジルコニアについて,接着強度試験および適合試験を合わせて,実施すること計画している.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は2764円であるが、これは実験試料製作のための消耗品費において、当初の予定よりも安価に購入できた結果である。これにより、研究計画等に影響はないと考える。次年度使用額は、研究に必要な消耗品の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Influence of different convergence angles of abutment teeth and cement spaces on internal adaptation of anterior CAD-CAM fixed dental prostheses2024

    • 著者名/発表者名
      Ito Keigo、Iwasaki Taro、Kitani Jin、Honda Junichi、Kubochi Kei、Komine Futoshi
    • 雑誌名

      Journal of Oral Science

      巻: 66 ページ: 55~59

    • DOI

      10.2334/josnusd.23-0321

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinical performance of laminate veneers: A review of the literature2024

    • 著者名/発表者名
      Komine Futoshi、Furuchi Mika、Honda Junichi、Kubochi Kei、Takata Hiroki
    • 雑誌名

      Journal of Prosthodontic Research

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.2186/jpr.jpr_d_23_00151

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of an internal firing of feldspathic porcelain before or after sintering on adaptation of high-translucent zirconia laminate veneers2023

    • 著者名/発表者名
      Nakase Daishi、Kubochi Kei、Kitani Jin、Honda Junichi、Iwasaki Taro、Komine Futoshi
    • 雑誌名

      Journal of the Mechanical Behavior of Biomedical Materials

      巻: 148 ページ: 106208~106208

    • DOI

      10.1016/j.jmbbm.2023.106208

    • 査読あり
  • [学会発表] 高透光性ジルコニアラミネートベニアに対する新規内面処理方法が適合に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      中世大嗣,窪地 慶,木谷 仁,高田宏起,庄司 力,大森 実,島田百子,小峰 太
    • 学会等名
      公益社団法人日本補綴歯科学会第132回学術大会
  • [学会発表] 維持装置を付与したフレームワークがインプラント支持補綴装置の破壊強度に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      小林達郎,本田順一,高野了己,田中秀亨,大谷一紀,川本善和,小峰 太
    • 学会等名
      令和5年度公益社団法人日本補綴歯科学会東京支部総会・第27回学術大会
  • [学会発表] モノリシックジルコニアクラウンを用いて上顎前歯部の審美障害を改善した症例2023

    • 著者名/発表者名
      木谷 仁,伊藤恵吾,窪地夏怜,窪地 慶,本田麻璃子,小峰 太
    • 学会等名
      日本歯科審美学会第34回学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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