研究課題
Cine-MRによる鼻咽腔閉鎖不全に対する評価:鼻咽腔閉鎖機能の評価に対してRF-spoiled fast low-angle shot(FLASH) gradient-echoをベースにしたCine-MR画像に決定した。今後も時間的、空間的な分解能を改善するために患者ごとにsequenceの調整は続ける。裁断面については咽頭収縮筋、口蓋帆長筋、口蓋帆挙筋、咬筋などが描出できるものを決定する方法を調整している。患者ごとに鼻咽腔閉鎖機能に特化して高速かつ高解像度のCine MRIが撮像できるよう改善する。正常ボランティア及び口腔がんの処置にて鼻咽腔閉鎖機能不全が誘発された方を対象に鼻咽腔閉鎖に関与する筋肉群の撮像時における信号変化について検出した。正常ボランティアに対しては、informed consentを取得した九州歯科大学の学内関係者を中心に行った。患者に関しては九州歯科大学附属病院に来院される各疾患を有する患者の内informed consentを取得できたものを対象に撮像している。撮像は治療前、治療後で行っている。口腔がん患者では通常のMR撮像に追加してデータを取得している。Cine-MRの撮影に際してPapa等の発音、飲水を行いながら実施している。現時点ではデータ化を行うには至っていないが正常ボランティアと患者群間で鼻咽腔閉鎖に関与する筋肉群の信号変化は確認できている。Function MRIを用いた鼻咽腔閉鎖機能に伴う不快感の評価:正常ボランティアに対してFunctional MRIを用いて、鼻咽腔閉鎖機能が正常な状態ものに対し、口を閉じないまま嚥下を行った状態では感覚野領域及びBrodmann area 46のBOLD信号が上昇する可能性が示唆された。今後は症例数を増やすことと鼻咽腔閉鎖機能が不全の患者にも、同様の研究を行い基礎データの確立を行いたい。
3: やや遅れている
正常ボランティアと口腔がんによる舌や顎骨を切除した患者にCine-MRIを用いた鼻咽腔閉鎖機能の評価が可能であることを確認できた。それら信号変化に関しては生じることも評価できている。しかし、撮像が煩雑であるため対象患者が増えていない為データ化するには至っていない。Functional MRIによる鼻咽腔閉鎖機能に伴う不快感の評価に関しては、正常ボランティアでは行っているものの鼻咽腔閉鎖機能不全患者で直接的に行うことができていない。そのため論文作成などは進んでおらず(3)やや遅れていると判断した。
Cine-MRIによる鼻咽腔閉鎖機能不全を示す患者への評価数を増加する。具体的には口腔がんに対する手術を行った患者に対して多数実施することで鼻咽腔閉鎖機能に関連した筋肉に関するMR信号のデータを蓄積する。特に、口腔がん患者で鼻咽腔閉鎖機能が正常なものと不全をきたしたものに対してCine-MRIを撮影し、症例数を増やす。その結果、Cine-MRIの鼻咽腔閉鎖機能の評価における臨床的意義を確立して結果の発表に繋げていきたい。Functional MRIを用いた鼻咽腔閉鎖機能に伴う不快感の評価ついて、正常ボランティアにおけるデータに加えて口腔がんに対する手術を行った患者に対しても撮像を追加し、基礎データの確立を目指す。
昨年度、コロナ禍で学会での発表が少なかったこととデータをまとめる作業が若干遅れているため使用額が若干残っている。しかし、今後データのまとめや論文発表が進む予定である。
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