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2023 年度 実施状況報告書

免疫変調をきたす腸内細菌叢の制御による顎骨壊死に対する治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K10136
研究機関鶴見大学

研究代表者

佐藤 光一郎  鶴見大学, 歯学部, 助教 (20728125)

研究分担者 濱田 良樹  鶴見大学, 歯学部, 教授 (70247336)
熊谷 賢一  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10518129)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード薬剤関連顎骨壊死 / 腸内細菌叢 / 口腔内細菌叢
研究実績の概要

近年、腸内環境、とくに腸内細菌の変調が全身の免疫系の調節に深く関わっていることが報告されている。そこで我々は、顎骨壊死に伴う口腔内細菌叢や薬剤が腸内細菌叢に影響を与えることで免疫系の変調や顎骨骨髄炎が遷延する病態形成をもたらすのではないかという仮説を立てた。この仮説を検証するため、顎骨壊死のモデルマウスを用い、腸管病態と腸内細菌叢について検討を行う。研究代表者らは、口腔内細菌が全身に影響を及ぼす因果関係を明らかにするため、マウスを用いて抜歯窩に持続した骨露出を認めるARONJ発症モデルマウスの作製に成功し、その病態解明を進めている。顎骨壊死モデルマウスは2009年頃より報告されているが、マウスでは治癒が良いため、抜歯後8週まで骨露出を持続させることは困難であった。歯牙に糸を結紮しただけの歯周病モデルマウスではなく、劇的に口腔内の細菌叢の変化が起きているARONJマウスを用いてこそ、口腔内細菌と腸内細菌叢と全身疾患との関与を明らかにする突破口となりうると確信している。
1. ARONJ発症モデルマウスの免疫動態の解析
組織学的検討から口腔・腸管粘膜の経時的な変化と免疫組織学的検討からT細胞の性状や機能解析を行った。
2. ARONJ発症モデルマウスにおける腸管の観察、抗菌薬の長期投与を行ったARONJモデルマウスの腸管観察
ARONJ発症が腸管へ影響を与えるかどうか、組織学的に評価を行った。また、抗菌薬の長期投与により、ARONJ発症率が上昇することが報告されている。両者の腸管に類似点、差違があるかどうかを組織学的観察、計量を行い解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究分担者らが他施設に異動したため、計画していた動物実験計画が変更となり、鶴見大学と他施設との調整、打ち合わせに時間を要した。

今後の研究の推進方策

引き続き、ARONJ発症モデルマウスにおける口腔内、腸内細菌叢のメタゲノム解析に移行し、ARONJ発症モデルマウスのどのような口腔内細菌が腸内に定着しているかを把握するため、唾液、糞便からDNAを抽出し全ての細菌の16SrRNAをコードする遺伝子を増幅し、遺伝子の配列を全て読み込み、その配列の違いによって菌種を同定、定量を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者らが他施設に異動したため、計画していた動物実験計画が変更となり、鶴見大学と他施設との調整、打ち合わせに時間を要し、実験計画が遅れたため。
経費の主要な用途は、実験動物、実験試薬ならびに実験器具等の消耗品の購入となる。また、得られた結果から国内外の学会参加と論文投稿についても研究費を使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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