研究課題/領域番号 |
22K10137
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター(臨床研究部) |
研究代表者 |
秦 浩信 独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター(臨床研究部), 臨床研究部, 歯科口腔外科医師 (70450830)
|
研究分担者 |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
平田 健司 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431365)
三輪 建太 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (40716594)
今待 賢治 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40779873)
佐藤 淳 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (60319069)
松坂 方士 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (70431434)
浅香 卓哉 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (80637265)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | SPECT / 顎骨壊死 / MRONJ / 顎骨骨髄炎 |
研究実績の概要 |
本研究は、MRONJ患者を対象に骨SPECTの撮像条件の標準化の検討を行い、実際に多施設間にハーモナイゼーションを適用し、多施設前向き共同臨床研究の準備を進めることを目標とする。当研究グループの2022年度から2年間の研究実績を報告する。 1.顎骨SPECT定量解析とup take timeの短縮を目指した研究 当科で顎骨壊死/顎骨骨髄炎の診断あるいは消炎治療の効果判定を目的に顎骨SPECTの撮像を行った患者30名を対象とし、2時間待機、3時間待機の同日2回の撮像で、頭頂骨と顎骨病変部の2部位について、SUVmaxの同等性評価を行った。結果、顎骨SPECTにおけるSUVmaxは2時間待機撮像と3時間待機撮像と同等であり、2時間撮像で定量評価可能なSPECT像が得られるという新たな知見を得た。本内容は国際誌である2024年3月BMC oral healthに採択された。 これまでの研究成果をMASCC/JASCC/ISOO Annual Meeting 2023 Efficacy and risk of drug holiday for MRONJ treatment of cancer patients: A single-center retrospective study Hironobu Hata 4学会合同学術大会 シンポジウム「MRONJポジションペーパー2023で何が変わったか?」 がん患者のMRONJの予防と治療 秦 浩信 第68回日本口腔外科学会総会・学術大会「顎骨定量SPECTで進行MRONJの治療効果を長期にモニタリングした1例」 服部倫寛、秦 浩信 他2024年3月 35回台湾口腔外科学会 招待講演 「Treatment and management of MRONJ in cancer patients: Focusing on the maxilla」にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題1 「顎骨定量SPECTにおけるCT補正の必要性」については目標人数(15名)に到達し、データの収集は終了した。現在データ解析を終え共著者と考察内容について協議し、論文投稿の準備中である。順調な進捗状況と考えている。 研究課題2 「顎骨定量SPECT待機時間の標準化について」の論文は上述のとおり2024年3月にpublishされた。また、本結果を受けてさらに、顎骨定量SPECにおいて、up take timeの更なる短縮は可能かを探るべく待機時間1.5時間、1時間で撮像する追加研究について現在論文投稿の準備中である。 研究課題3 「顎骨定量SPECTにおけるハーモナイゼーション」については、初年度の研究費にてメチオニン脳ファントムを購入し、2022年度は当施設と北海道大学病院の2施設間でハーモナイゼーションのための条件設定を行った。現在、多施設間のSPECT装置でのハーモナイゼーションにむけてファントム測定の道内関連協力施設から準備を進めている。 総合的には3つの研究課題において概ね順調な進捗状況だと考えている。 また、新たな研究課題として、定量SPECTにおける、集積体積を表すMBV(metabolic bone volume)の解析方法がいくつかあるが、どの方法が最も優れているのか調査を行っている。これも興味深い結果が得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度として、我々の研究テーマについて国際論文化を急ぐ。幸いにも我々は素晴らしい研究分担者が揃うチームであり、彼らとの有益なディスカッションを行いながら、論文発表をすすめていく。円安の影響を受け、国際学会の参加費も論文発表時のAPC(Article Processing Charge)も高騰している。欧米の学会での滞在費も以前とは比較にならない。当初予定していた海外発表は控え、論文のオープンアクセスに貴重な科研費を配分し、あと1年の研究を推進したい。 ハーモナイゼーションについては北海道病院歯科医会の協力を得て、順次道内の他施設に進めていく。また、これまで同様に北海道大学の口腔診断内科教室、放射線診断教室と定期的な研究ミーティングを行い、綿密な連携をとりながら研究をすすめていくことが研究推進の鍵となると考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
円安の影響を受け、国際学会の参加費も論文発表時のAPC(Article Processing Charge)も高騰している。当初予定していた海外発表は控え、最終年度の論文のオープンアクセス費用に貴重な研究費を配分した。
|