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2022 年度 実施状況報告書

口腔癌患者の血中循環腫瘍細胞検出システムの開発とそれを用いた臨床病態及び予後予測

研究課題

研究課題/領域番号 22K10146
研究機関広島大学

研究代表者

小泉 浩一  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30335682)

研究分担者 吉岡 幸男  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20335665)
濱田 充子  広島大学, 病院(歯), 助教 (30760318)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード口腔癌 / 血中循環腫瘍細胞(CTC) / リキッドバイオプシー / 無細胞DNA(cfDNA)
研究実績の概要

口腔癌患者において血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell:CTC)の検出・解析を行い、臨床病態との相関性、治療効果の判定基準及び無増悪生存率(PFS)や全生存率(OS)などの予後予測システムの開発を行っている。
当科を受診した口腔癌患者から血液を採血して、「celsee prep 100」に注入しCTCの検出を検討したが、早期癌や予後良好の患者で検出されたり、全身転移し予後不良口腔癌患者で検出されなかったケースも散見された。さらに同一患者で複数回の測定を同時に行うも結果にばらつきがあった。そこで分析方法をポアサイズが8μmのマイクロフルーディックデバイスを用いて蛍光顕微鏡による解析に変更して行なっている。
現在のところ、当科を受診し本研究に同意が得られた10名の口腔癌患者を対象に初診、術前、術後で採血を行い、4ml中のCTC数の変化について検討している。全ての症例で初診時にCTCを確認しており、その個数は1~15個であった。術後にCTC数が減少した症例が7例(その内完全消失が1例)で、逆に増加した症例が3例であった。さらに3例が再発もしくは転移を認めており、それらの症例のCTCの変化は初診、術前、術後で6→0→4、9→5→1、1→15→5であった。引き続き現在も再診時に採血を行いCTC数の測定を継続中である。
これまで結果からはCTCが予後や再発等のバイオマーカーとは言いがたく、現在血清1mlから無細胞DNA(cell free DNA:cfDNA)の量を測定し、両者で病態の変化について検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CTC検出方法はこれまで試行錯誤して研究していたが、マイクロフルーディックデバイスを用いて蛍光顕微鏡による解析で順調に行えるようになった。しかしながら、このCTC数のみでは口腔癌の予後との相関性を見い出せず、現在はcfDNA量を測定して、両者で検討中である。

今後の研究の推進方策

本研究に同意が得られた10名の口腔癌患者に対して、今後も継続的に採血でCTC数の測定を行い、また同時にcfDNAの量を測定し、両者で病態の変化について検討していく予定である。
さらに新規の進行癌患者や早期癌患者などの症例についても同様の研究を行い、病態や予後について検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

CTC測定のために使用していた機器「celsee prep 100」の販売中止に伴い、キット等が注文できなくなり、当初予定していた消耗品費に残額が生じた。代替品を検討するまでは当講座の在庫で対応していたが、R4年度に全て使用してしまった。その後、現在のマイクロフルーディックデバイスを使用した研究方法に切り替えたが、前者より経費が嵩んでしまっている。
さらに残額を用いてcfDNA量を測定するためのキット等を注文し、CTCとともに口腔癌のリキッドバイオプシーによる研究を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Research about the circulating tumor cells and circulating cell-free DNA in blood of oral squamous cell carcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Eboshida N, Hamada A, Matsuyama T, Obayashi F , Kimura N, Ito N, Higaki M, Yamasaki S, Koizumi K, Yoshioka Y, Yanamoto S
    • 学会等名
      The 35th Annual Congress on Oral and Maxillofacial Surgery
  • [学会発表] 口腔癌におけるリキッドバイオプシー CTC(血中循環腫瘍細胞)、cfDNA(血中遊離DNA)の測定2022

    • 著者名/発表者名
      烏帽子田夏希、濱田充子、小泉浩一、柳本惣市
    • 学会等名
      JOOG

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公開日: 2023-12-25  

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