研究課題/領域番号 |
22K10161
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50309473)
|
研究分担者 |
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
柳本 惣市 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10315260)
岸本 裕充 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30291818)
鵜澤 成一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30345285)
北島 一宏 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80448860)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 口腔扁平上皮癌 / tumor budding / partial EMT |
研究実績の概要 |
口腔扁平上皮癌において頸部リンパ節転移は極めて重要な予後因子である。頸部リンパ節転移の予測因子は数多く検討されているが、一定の見解は得られていない。申請者はTumor budding (簇出、以下TB) がリンパ節転移に相関することから、TBを予測するバイオマーカーを見出し、臨床に応用することを目標としている。その中でTBが腫瘍の微小環境から影響を受けてpartial EMT(以下、pEMT)を生じた際に見られる現象であることを見出した。その中でTBは腫瘍の微小環境から影響を受けてpEMTを生じた際に見られる現象であることを見出した。そこでin vitroやin vivoでpEMTを誘導する実験系をいくつか作成し、これまで概念的であったpEMTを再現できるようにした。一つは口腔内の微生物叢 のLPSによるもの、もう一つは低酸素状態を再現するin vitroにおける低酸素培養である。このような条件下ではpEMTが生じていることを細胞レベルで確認した上で、既知のpEMTマーカーから口腔扁平上皮癌における最も有用なマーカーをin vivoにおいて解析する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroの条件付けがうまくいっており、最も難しいであろうと予想した口腔扁平上皮癌患者の唾液から次世代シークエンサーを用いて菌種を同定する作業も、理化学研究所との連携でうまくいっており、概ね順調と言える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、in vitroにおけるデータを解析し、論文化をすることと、in vivoにおけるTBの再現、バイオマーカーの検出を進めていく。本研究申請に参画する大学院生のスタッフの数も揃っていることから、2年目もこの実験系が有用なものとなるように研究を進めていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定ではメタゲノム解析を含めてもう少し予備実験が必要だと予想していたが、比較的条件設定がうまくいったため予定支出額よりも少ない支出となった。さらに予備実験に必要な試薬等を費用に充当する。
|