研究課題/領域番号 |
22K10164
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安田 真 東北大学, 大学病院, 助教 (70431591)
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研究分担者 |
水田 健太郎 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40455796)
田中 志典 東北大学, 大学病院, 講師 (60637958)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 |
研究実績の概要 |
本研究は、神経障害性疼痛の難治化に関与する上位中枢の神経活動を可視化し、三叉神経支配領域における神経障害性疼痛の難治化機構を解明することで、難治化の抑制・寛解に有効な薬剤を探索して新規治療へと展開することを目的としている。本年度は、三叉神経障害性疼痛モデルである眼窩下神経結紮モデルをラットにて安定して作成できる体制を確立し、ラット撮影に適したMRIの撮像条件設定を行った。 眼窩下神経へ口腔内の小切開部位からアプローチすることで、標的神経以外への侵襲を可能な限り抑えた眼窩下神経結紮ラットモデルを作成した。その後、上顎神経支配領域の疼痛評価をvon Frey filamentを用いて手術後3週間まで隔日で測定した。 次に、神経障害性疼痛の難治化に関与する上位中枢の神経活動を可視化するため、ラットの全脳レベルでの脳神経活動の履歴をMRIで捉える手法である「定量的活動依存性マンガン造影MRI(qAIM-MRI)」の撮像条件設定を行った。この手法は、マンガンイオンがMRI撮像に際してプロトン緩和時間を短縮させるとともに、電位依存性カルシウムチャネルを介して細胞内に取り込まれて神経活動の高い脳領域に蓄積する特性を活かし、MRI撮像24-48時間前に実験用小動物に塩化マンガンを腹腔内投与することで、過去の自由行動下の中枢神経活動の履歴を定量評価できる。眼窩下神経結紮ラットモデルの手術後1週間・3週間後にMRIを撮像するプロトコールを組み、撮像日の24時間もしくは48時間前にMnCl2を腹腔内投与し、画像を比較した。その結果、ラットモデルにおいてはMRI撮像48時間前に塩化マンガンを腹腔内投与するプロトコールが適していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
眼窩下神経結紮モデルをラットにて安定して作成できる体制と、ラット撮影に適したMRIの撮像条件設定を確立し、概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、本年度確立したラットモデルとMRI撮像条件を用いて、三叉神経領域の神経障害性疼痛に関与する中枢の神経活動の履歴の定量評価を行う予定である。そして、神経障害性疼痛の難治化に関与している脳領域を特定することを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画通りに物品を購入したが、わずかな残額が生じた。この残額については次年度以降に使用予定である。
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