研究課題
本研究は、循環腫瘍細胞(CTC)クラスターに焦点を当てて、我々の提唱したメカノセレクション仮説を分子レベルで実証することで新たな診断・治療戦略の創出を目指すことを目的とする。まず、より高精度に生体における循環血中の流体せん断応力(FSS)を再現するため、循環培養用デバイスの作製を開始した。現在、改良を行っているところである。一方、複数の頭頚部癌細胞株をFSS下もしくは静置条件下で浮遊培養させた後に、経時的に特殊な金属フィルターを用いてシングル細胞、凝集体を単離し、RNAシーケンスを行い網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、シングル細胞ではFSS下のみにおいて、特有の遺伝子群の発現が早期から経時的に増加していたったのに対し、凝集体ではそのような変化は認められなかった。現在、発現解析結果に詳細な解釈を加えているところであるが、CTCクラスターとシングルCTCでは、血中循環中における遺伝子発現動態が異なることが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
循環培養システムの構築にはやや時間を要しているものの、凝集体とシングル細胞との間で特徴的な遺伝子発現プロファイルの違いが見出された。
これまでの結果を踏まえ、凝集体とシングル細胞での血中循環中における遺伝子発現の差が何に起因しているかをin vitro/in vivoにて分子レベルで解析する予定である。また、機械刺激がゲノムに与える影響も合わせて解析する。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件) 備考 (4件)
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