研究課題/領域番号 |
22K10206
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
田所 晋 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70552412)
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研究分担者 |
井出 信次 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00611998)
徳山 麗子 鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (20380090)
寺田 知加 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40460216)
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 再生医療 / 凍結切片上培養 / 分化誘導 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
現在行われている生体臓器移植や、人工臓器移植などの先端医療には、それぞれ拒絶反応や耐久性、機械的強度などの様々な問題点や限界がある。再生医療の実用化を目指す上で重要になるのが最適な細胞源の確保と分化誘導法の確立であるが、現在、細胞源の候補である胚性幹細胞、成体幹細胞、人工多能性幹細胞、いずれにおいても、どの臓器の再生を目指すときにどの細胞が最適であるかというところは不明のままである。また、分化誘導法としても、増殖・分化因子の組み合わせを添加し培養する方法が主流であり、添加因子の理想的組み合わせは未だに十分とは言い難く、決定は困難であるのが現状である。そこで本研究では、これまでに申請者らがiPS細胞の分化誘導と品質管理において報告してきた方法を応用し、再生を目指す目的臓器の凍結切片上で各種幹細胞の培養を行うことにより細胞分化を誘導し、その誘導効率の差からそれぞれの幹細胞の目的臓器の機能細胞への分化しやすさ(分化特性)を評価することにより、どのような状態の幹細胞が目的臓器・組織再生のための細胞源として最適かを簡便かつ安価に検証し、選別できる新たな評価法を確立することを目的に研究を進めた。 本年度は、マウスの各種臓器・組織(脳、脊髄、肝臓、心臓、筋肉、唾液線、脂肪組織等)の凍結切片を作成し、これまでにわれわれが報告してきたiPS細胞の凍結切片上での培養法に準じて、それぞれの凍結切片上で、各種のヒト由来幹細胞(骨髄間葉系 幹細胞、歯髄幹細胞、脂肪組織由来幹細胞等:Lonza、RIKEN等から入手予定)を培養するが、まずは我々が多く取り扱っている歯髄幹細胞を対象に、すでに本法によりiPS細胞の分化誘導が可能なことが確認され、誘導効率の差による品質評価が可能であることが明らかとなっている脳、脊髄および肝臓を優先して文化誘導を試み、検証を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに進行しており、今後はさらに遺伝子発現、タンパク質発現などから分化誘導の成否を検証し、分化特性の検討へと準備が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
幹細胞の種類を追加して同様の分化誘導を検討するとともに、凍結切片とする組織の種類も増やして検討を進める。また、これらの検討において使用した各幹細胞からそれぞれ複数(5ー10個)のクローンを分離、増殖させた後、それぞれのクローンを各種臓器の凍結切片上で培養し、各クローン間で分化特性に差があるか否かを比較検討する。この方法はすでに申請者らがiPS細胞を対象として行なってきた分化誘導・細胞品質評価法を踏襲して行うこととする。すなわち、それぞれのクローンにおいて、分化誘導されている細胞をカウントし、播種した全細胞における分化誘導された細胞の割合を算出することで、それぞれの分化誘導効率とする。これをクローン間で比較検討することで、各クローンの分化特性の評価を行う。 加えて、インフォームドコンセントにより同意の得られた患者から、口腔顎顔面外科手術時に治療に影響せず余剰となった最小限の各種組織(骨髄、脂肪および歯髄)の提供を受け、その組織から成体幹細胞(間葉系幹細胞)を得、これまでと同様に比較検討することで、それぞれの幹細胞クローンにおける分化特性の違いを検討する。各クローン間に分化効率の差が認められれば、それまでの結果と合わせ、個人間、組織間、クローン間での分化特性の差を明らかとするとともに、1本法が各種成体幹細胞の分化を誘導することが可能であること、2特定の組織・臓器再生に最適な幹細胞(クローン)の選別および細胞の品質評価が可能であること、および3患者個人個人に最適化できる個別化再生医療の確立に繋がる事を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度施行予定であった各種幹細胞の文化誘導の検討において、現在歯髄幹細胞まで進んでいるが、こちらの検討数を増やして検討しているため、そちらへの支出が完了しておらず、このためこれを次年度繰り越しとした。また、他の組織凍結切片についての検討も、先行した脳、肝臓の結果が良好でこちらに検討時間を割いているため、他の組織についての検討は次年度繰り越しとしている。次年度はこれらの検討を行う予定である。
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