研究課題/領域番号 |
22K10234
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
吉川 恭平 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00727480)
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研究分担者 |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50309473)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
中野 芳朗 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30360267)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | L1CAM / partialEMT / PCR |
研究実績の概要 |
癌の局所浸潤や再発、転移などに関与することで知られる神経周囲浸潤(PNI)が口腔癌の予後因子の一つと考えられており、本研究では神経ニューロンに発現するL1CAMとPNIの関連を解析することで新たなバイオマーカーとしての有用性を検討することを目的とする。前年度までの研究で、当科で保有する複数の口腔扁平上皮癌細胞株からタンパクを採取しL1CAMの発現状態を確認したところ、高発現するものが確認できた。また、予備実験としてマウスの後根神経節を用いた神経浸潤モデルを作成し、嫌気条件下で培養を行った口腔扁平上皮癌細胞が神経周囲浸潤を認めることも確認した。今年度はさらに、手術検体から樹立した細胞株のうち、病理学的に神経浸潤を認めた細胞株を用いて、1%や5%の低酸素状態で培養を行い、実際の腫瘍組織に類似した環境を作りだした後に、ウェスタンブロットで各種タンパク発現を解析した。その結果、酸素濃度によってL1CAMやEMTマーカー(E-カドヘリンやN-カドヘリン、vimentin)の発現には差が出るが、傾向としては低酸素条件下で培養することで高発現する傾向がみられた。また、近年注目されているpartialEMTの概念に基づいた解析を行うため、そのマーカーであるLAMC2の発現も同様に解析したところ、低酸素条件下で高発現する傾向がみられた。これらの結果に基づき、さらに癌細胞の神経周囲浸潤におけるバイオマーカーを検証するため、現在はPCR解析やエクソソーム解析に向けた準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
樹立した細胞株の低酸素条件下培養において、ウェスタンブロット解析データの再現性の確保に想定よりも時間を要した。また、EMTマーカーやpartialEMTマーカーの発現については酸素濃度によって想定よりもブレが生じ、どの酸素濃度条件下のデータを主として解析していくか、判定に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はタンパク発現のみならず、PCR解析や、細胞上清からエクソソームを採取し、エクソソーム内の発現解析と、それらを神経細胞と共培養などを行うことで、L1CAMに代表される神経周囲浸潤のバイオマーカーとしての有用性を検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
低酸素培養後に当初解析を予定していた抗体や試薬などで一部まだ未購入のものが生じたため、次年度使用額が生じた。そのため、翌年度中に解析する予定の抗体を含めた必要品は早期に購入し、予定していた研究をすすめる。
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