研究課題/領域番号 |
22K10249
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山座 治義 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30336151)
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研究分担者 |
山座 孝義 九州大学, 歯学研究院, 教授 (80304814)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 老化 / 発達障害 / 幹細胞 / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
実験動物の摂取量を適度に制限するカロリー制限(CR)は、生理的・病的老化現象を遅延させ、平均および最大寿命を延長させる実験的介入法である。また、授乳期の母獣へのCRを行ったところ、その仔は短寿命を示した(未発表データ)。同様のCRにおいても、応用する時期において寿命への影響が異なることから、これらのモデル動物を比較検討することにより、老化制御機構の解明の糸口に繋がることが示唆される。 ヒトの健康や疾患についての最近では腸内環境が注目されており、代謝性疾患をはじ、パーキンソン病やアルツハイマー病、自閉スペクトラム症などの認知障害や発達障害との関連が示唆されている。腸内細菌叢はヒトの健康状態や病的状態により、その種類や割合が変化しており、その代謝産物もまた、ヒトの健康や疾患発症に影響を及ぶす。近年では、腸内細菌叢とその代謝産物がパラクライン的に腸の神経叢を介して中枢神経や他の臓器と相関関係にあることが報告されている。このことから、寿命・寿命制制御機構の解明への新たなの切り口として、腸内細菌叢やその代謝産物を網羅的に解析することにより、新たな知見を見出すことが期待される。 乳歯はその歯髄組織から幹細胞の特徴を有するヒト乳歯幹細胞(SHED)を単離することができ、in vitroで病態の再現と解析ができる有用な細胞源である。 そこで本研究では、新たに短寿命モデルと長寿命モデルの腸内細菌叢とその代謝産物に着目して、それらを網羅的に解析することにより、老化制御や認知障害、発達障害に関与する因子の同定と、そのメカニズムの解明を目的とする。本研究の成果は寿命・老化制御機構の解明や老化に伴う認知障害、また発達障害の解明に繋げることができ、将来的に医療費の削減やQOLの向上、多様性を共有する社会構築に貢献できると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究課題での共同研究で、他の施設での飼育されているマウスのCR群と対照群の6か月齢における糞を採取後、冷凍保存した。その糞より腸内細菌のDNAを抽出中し、腸内細菌叢の検出を、CR群と対照群から実施した。現在、詳細な解析を実施中である。そして、老齢マウスからの糞を採取して、CR群と対照群から腸内細菌のDNAを単離したところである。 また外来受診中の患児からの脱落乳歯からのSHEDの単離を継続している。自閉スペクトラム症の患児や健常児から単離したSHEDを現在、凍結保存しており、随時研究に使用できる状態にある。また、先行研究において、SHEDの神経様細胞への分化のプロトコールは確立してることから、腸内細菌叢の解析終了後後に、SHEDを用いたin vitroの研究の準備は行っているところである。 研究代表者は年度の途中で異動となったことから、異動先での研究体制を整えている所であり、またSHEDに関する研究を推進するために、前施設に所属している研究分担者を加えることにより、研究推進を強化したところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在進行中のCR群と対照群の腸内細菌叢の解析を継続するとともに、老齢マウスの腸内細菌の解析を同様に行う予定である。また、当施設の動物飼育施設の利用開始の申請許可が通り次第、、授乳中のCR群を作成して、生後6か月と24か月において対照群とともに糞を採取して凍結保存する。採取した糞より腸内細菌のDNAを抽出し、腸内細菌叢の解析を行う。 上記解析を進めることにより、寿命や老化に関連する代謝産物を検出して、SHEDから分化誘導した神経様細胞における検出した代謝産物の作用機序などの解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前施設の動物飼育施設での感染発生後の施設使用の再開が未定であることから、実験動物の飼育と実験コロニーの作成ができない状況である。また、、年度内に研究代表者が他施設に異動となったことから、研究の推進が鈍化した。このことから、実験動物を用いた研究に関連する消耗品の購入等が無かったこと、分子生物学的実験の消耗品の購入が鈍化したことから、次年度次年度使用額が生じた。
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