研究課題/領域番号 |
22K10260
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (10610941)
|
研究分担者 |
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10396715)
疋田 温彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60443397)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 骨リモデリング / イメージング / メカニカルストレス |
研究実績の概要 |
まず、伸展刺激装置における骨代謝細胞ネットワーク再現系の構築のために、ストレックス社のストレッチチャンバーに、全身の細胞が緑色蛍光タンパク質を発現するEGFPマウス頭頂骨より採取した骨芽細胞を播種し、培養した。細胞がコンフルエントになった日をDay0 とし、βGlycerophosphateおよびAscorbic acidを含む骨芽細胞分化培地での培養を開始した。約4週後に石灰化結節の形成を肉眼的に、および顕微鏡下で確認した。その後、マクロファージおよび破骨細胞が赤色蛍光タンパク質を発現するRANK-Cre xR26-tdTomatoマウス由来骨髄マクロファージを加え、活性型ビタミンD、プロスタグランジンE2を添加した培地にて共培養を開始した。以降、1週間ごとに同一部位をニコン2光子顕微鏡A1 MPで観察した。伸展の頻度や伸展率について検討した結果、1週間に1回、伸展率は週2.5%, 5.0%が、チャンパーの破綻を生じない条件であることを確認した。 また、伸展以外の力学的負荷を加える方法として、遠心刺激を与える試みを行った。50万細胞/6 cm dish相当でEGFPマウス由来骨芽細胞を播種し、分化培養を4週間行った後にRANK-Cre xR26-tdTomatoマウス由来骨髄マクロファージとの共存培養を開始した。その後再びβGlycerophosphateおよびAscorbic acidを含む骨芽細胞分化培地に切り替え、遠心(1回30分,週3回 20 G, 200 G, 2000 G)を加えた。以降、1週間ごとに同一部位をニコン2光子顕微鏡A1 MPで観察した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、伸展刺激装置における骨代謝細胞ネットワーク再現系の構築と、収縮刺激の最適化が実施できているため。
|
今後の研究の推進方策 |
伸展刺激によるRANKL およびSclerostin発現変化と細胞動態、基質変化の関連についての解析:前年度同様、ストレックス社のストレッチチャンバーで、EGFPマウス由来骨芽細胞を分化培養し、約4週後に石灰化結節の形成を確認後、RANK-Cre xR26-tdTomatoマウス由来骨髄マクロファージとの共培養を行う。1週間ごとに同一部位をニコン2光子顕微鏡A1 MPで観察する。前年度に設定した条件(週1回、伸展率2.5%あるいは5%)でチャンバーを伸展させ、複数の時点でRANKL あるいはSclerostin発現を、これらの分子のプロモーター活性により蛍光タンパクを発現する蛍光プローブ、免疫染色、あるいは遺伝子発現で確認する。また、伸展後の細胞動態について2光子顕微鏡による観察を行い、これらの分子の発現との関連について検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
細胞培養系の構築に予定していたほどの費用を要さなかったため。余剰分は次年度以降の細胞培養などに用いる予定である。
|