研究課題/領域番号 |
22K10262
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
加藤 千帆 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (80706987)
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研究分担者 |
渡 一平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10431941)
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
小海 暁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50431937)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 咀嚼機能低下 / マイオカイン |
研究実績の概要 |
咀嚼運動は、健全な身体機能の維持に対して多大な影響を与える。これまで、咀嚼機能低下と口腔・顔面領域における末梢感覚受容器・反射および大脳皮質・海馬などの中枢機能との関連について検討は行われている。近年、これまで運動に関与する器官としかみなされていなかった骨格筋が、様々な生理活性物質(マイオカイン)の分泌を介して他臓器と連携し、骨格筋運動による健康増進に関わっていることが明らかになってきた。一方、先行研究では不正咬合に伴う咀嚼機能低下と全身疾患(高血圧・心臓病など)との関連が報告されているものの、そのメカニズムに関しては明らかにされていない。そこで本研究は、「咀嚼機能低下に伴うマイオカイン分泌の変調が顎顔面領域ならびに全身に与える影響を生理学、組織学および生化学手法を用いて多面的に解明する」ことを具体的な目的とした。 現在は口腔周囲筋および四肢筋の組織学的解析およびマイオカイン解析を行っている。 咬筋、側頭筋、顎二腹筋、オトガイ舌筋およびヒラメ筋を摘出し、切片を作製、HE染色を行う。MHC-slow、MHC-fast、MHC-IIAおよびMHC-IIB各筋線維タイプの総筋線維数と比率、最少の直径の平均、ならびに断面積を計測し、対照群と軟食群で比較検討する。組織湿重量を測定することにより、口腔周囲筋を評価する。 口腔周囲筋のマイオカイン解析として、咬筋、側頭筋、顎二腹筋およびオトガイ舌筋における、筋肥大に関連するmyostatin, IL-4, IL-6, IL-10、近接骨組織の強化に関連するIGF-1、FGF-2、筋萎縮に関連するTNF-α、NFkBおよびIL-1βをリアルタイムPCR法を用いてmRNA発現定量解析を行う。組織学的解析に用いた切片を用いて口腔周囲筋のマイオカインの分布について免疫組織染色を用いて評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔周囲筋の測定に関してはパイロット群において行い、同時に次年度行う予定であったマイオカイン解析について進めている
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今後の研究の推進方策 |
口腔周囲筋測定とマイオカイン測定の本実験を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は予備実験を中心に行ったため、次年度への使用額が生じた。
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