研究課題/領域番号 |
22K10266
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90205633)
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研究分担者 |
丹原 惇 新潟大学, 医歯学系, 講師 (10636228)
藤田 瑛 新潟大学, 歯学部, 研究員 (90847188)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 有限要素解析 / 顎変形症 |
研究実績の概要 |
歯列のみならず、顎骨に前後的、水平的、垂直的な不調和を認める顎変形症例には外科的矯正治療が適用され、顎骨の変形にともなう機能的・形態的異常の改善を図る。外科的矯正治療に公的保険が適用されて以降、国内における顎変形症例数は年々増加傾向にあるが、近年その治療内容は顎骨の前後的な移動はもとより、開咬や顔面非対称などに対する垂直的・水平的方向への複雑な移動が要求される。顎変形症例では、顎顔面領域の形態的な不調和に起因して、機能面でも咀嚼、発音、嚥下、呼吸動態等の異常が認められる。さらに、コミュニケーションツールとして極めて重要な臓器である「顔」の審美的なハンディキャップを抱え、心理社会的な問題をかかえる患者も多い。顎変形症はこういった形態的、機能的、心理社会的な問題を包含するQOLの著しい低下を引き起こす病態像と考えられる。顎変形症治療に公的保険が適用されて以降、国内における顎変形症例数は年々増加傾向にあるが、多岐にわたる症状をもつ病態を呈することからその診断・治療基準を策定することは極めて困難との現状がある。我々は治療基準を模索するためには治療後の変化予測が不可欠であり、治療前後の生体力学的な環境の変化を有限要素解析により可視化することで、術後変化を予測できる手法を考案した。本研究の目的は、有限要素解析により治療前後の顎顔面領域の生体力学的環境変化と術後変化の関連性を明らかにすることで、術後変化予測を組み込んだ顎変形症に対する治療基準を策定することである。本研究課題では、①術前後のCT画像から作成した3次元モデルを用いて有限要素解析を行い、②その応力分布の変化と実際の術後変化の回帰分析を行うことで術後予測アルゴリズムを確立し、③それに基づいた顎変形症に対する治療基準の策定を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析環境の整備について、有限要素解析に必要なソフトウェアが提供中止となったため、現在、新たな解析ソフトウェアの選定を行なっている。 特に、超弾性体の解析ソフトは高額のため、代替ソフトウェアの見通しは立っているものの、予算上の都合から次年度以降に導入を見込むこととしている。また、モデリングソフトウェアについては、ソフトウェアベンダーと協議し、当初の年単位のライセンスから、半年ごとのライセンス提供を受けることが可能となったため、今後予算の兼ね合いを見ながら導入期間を再考することとしている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降に、予算を前倒し申請することでソフトウェア費用を賄い、解析環境の整備を進めることとしている。解析症例の選定は概ね完了している上、モデリングソフトウェアについてはこれまでにも使用経験が豊富なことから、ソフトの導入と同時に解析作業に着手できる見通しである。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析ソフトウェアの導入が遅れているため。次年度のソフトウェア購入費用に充てる見込み。
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