研究課題/領域番号 |
22K10277
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
川元 龍夫 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50323704)
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研究分担者 |
郡司掛 香織 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (90448811)
黒石 加代子 (中尾加代子) 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60468303)
水原 正博 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60845402)
白川 智彦 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50908225)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Apert症候群 / 上皮間葉相互作用 / 分枝形態形成 / 顎下腺 / FGFR2 |
研究実績の概要 |
Apert症候群(OMIM: 101200)は頭蓋冠早期癒合症を主症状とし、線維芽細胞増殖因子2型受容体(FGFR2)の機能亢進が原因とされている。本研究は、Apert症候群様変異をノックインしたApert症候群モデルマウスの顎下腺および他の腺組織を用いて上皮間葉相互作用のメカニズムおよびFGFR2のシグナル亢進が組織の形態や機能に及ぼす影響を検索することを目的とする。方法としてApert症候群モデルマウスを用いて顎下腺の形態及び機能分析を行い、他の腺組織の形態分析を行う。現在まで、顎下腺の発生が開始する胎生13.5日のApert症候群モデルマウスの顎下腺の形態評価を行っている。胎生13.5日において細胞増殖の活性化による上皮の過形成が生じていることを確認した。また免疫染色よりApert症候群モデルマウスではFGF7とBMP4は上皮と間葉の両方に局在していた。FGF7の異所性局在によるFGFシグナルの亢進によって上皮過形成が生じていることが示唆された。また上皮の過形成に対するネガティブフィードバック機構としてBMP4が関与している可能性がある。先行研究では胎生15.5日と生後1日の顎下腺の形態解析を行い、上皮の過形成を報告している。先行研究と本研究の結果より、FGFR2シグナル亢進によって胎生期から出生直後において顎下腺の形成が進行していることが示唆された。現在、成体マウスの顎下腺について解析を行っていくため、Apert症候群モデルマウスの生存率を解析している。今後は成体マウスを用いて唾液分泌量の計測を中心とした機能解析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胎生期の顎下腺の形態解析は概ね完了したが、成体マウスを用いた顎下腺の機能および形態解析に着手出来ていないため、やや遅れているとの評価になった。今後はApert症候群モデルマウスを生後28日まで飼育し、唾液分泌量の計測を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、Apert症候群モデルマウスの出生後の生存率を解析している。生後28日まで飼育を行い、ピロカルピン投与下での唾液分泌量を計測する予定である。出生後の生存確率が低い場合は、顎下腺上皮または間葉特異的にApert型を変異を有するコンディショナルマウスの作出を検討する。また形態解析として胎生期と同様にFGFシグナル関連タンパク質の発現、細胞増殖、アポトーシスを免疫染色で明らかにしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
胎生13.5日の顎下腺が小さく、解析に必要となるタンパク質の抽出が行えなかったため、物品費として計上していたブロッティング装置の購入に至らなかった。次年度は唾液分泌量の計測を行っていくため、試薬や計測器具を購入していく予定である。
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