研究課題/領域番号 |
22K10278
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
飯嶋 雅弘 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20305915)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | バイオガラス / ナノ粒子 / ペプチド / フォルダマー |
研究実績の概要 |
本研究ではバイオガラスナノ粒子(BGNP)によるエナメル質の再石灰化機能を向上させるため、ペプチドフォルダマーとの複合体を創製し、ミネラルとの結合性、分解および結晶形成能の向上を試みる。さらに、BGNPとクラウンエーテルの複合体を創製し、選択的ミネラルの包摂特性を光照射により制御することを目指した。まず昨年度においては、BGNPと各種ペプチドフォルダマーを合成し、それらの形態観察や構造評価を行った。 ピリジンをベースとしてCaイオンを結合するフォルダマーを設計した。各フォルダマーについては、核磁気共鳴(NMR)とフーリエ変換赤外分光(FTIR)によって特性を評価した。BGNPをゾルゲル法にて合成し、FTIRとエックス線回折によりナノ粒子の特性を評価した。さらに、走査型電子顕微鏡(SEM)と透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてBGNPの形態を観察した。3-アミノプロピルトリエトキシシラン(ATPS)を用いてBGNPに表面官能基を付与することにより機能化をはかり(BGNPsF)、SEMによる形態観察とエネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析、XRDおよびX線光電子分光法(XPS)による特性評価を行った。 NMRとFTIR測定により、異なる位置にピリジンを持つ5つのフォルダマーの構造を確認した。BGNPに対するXRDでは、試料のアモルファス構造が確認された。また、EDS分析により、組成(SiO2:CaO:NaO2:SrO:P2O5 = 46.1:19.3:27.0:5:2.6 mol%)が確認された。フォルダマーによるBGNP表面の機能化について、EDSおよびXPSにより同定された。SEMによる形態評価では板状の構造が確認され、フォルダマーが表面に固定化されていることが確認された。XRDでは、機能化後の試料でアモルファス構造が維持されていることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染予防に関連した外部研究施設の利用制限があったため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は、バイオガラスナノ粒子を合成し、ペプチドフォルダマーのデザインと合成、ならびにそれらの複合化を試みた。今年度以降は、これら複合体の脱灰エナメル質に対する再石灰化特性を調べる。さらに、クラウンエーテルとバイオガラスナノ粒子の複合体を創成し、光異性を利用したイオンの放出とチャージの制御を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の特性評価について外部施設の利用を予定していたが、感染予防のための利用制限により遅れが生じた。本年度はこれらの特性評価を集中的に行い、関連の消耗品を含めた支出を予定している。
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