研究課題/領域番号 |
22K10285
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 奏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10736474)
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研究分担者 |
相田 潤 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80463777)
山本 龍生 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20252984)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 加熱式タバコ / 口腔 / 高齢者 / 社会経済状態 |
研究実績の概要 |
本研究では26万人相当の大規模コホート研究であるJAGES(Japan Gerontological Evaluation Study、日本老年学的評価研究)プロジェクトにて、2019年に盛り込んだ加熱式タバコと口腔の健康に関する質問をベースに、2022年に追跡調査を実施し、世界に誇る大型コホートを形成・解析し、加熱式タバコと口腔の健康との関連のエビデンスを確立することを目的とする。 2023年度は2013年および2019年のパネルデータを用いて、口腔と加熱式タバコを含む新型タバコとの関連の検証を実施した。解析結果を以下に示す。 65歳以上の地域在住高齢者を対象としたJAGESプロジェクトにおいて収集された2013年10~11月および2019年11月~2020年1月のパネルデータを用いて解析を行った。2023年から2019年にかけての歯の本数の減少有無を目的変数とし、2019年時点の喫煙状態(非喫煙、紙巻きタバコのみ喫煙、新型タバコ喫煙)を説明変数とした。多重代入法にて欠損値を補完後、性別、年齢、婚姻状態、教育歴、世帯所得、飲酒状況を調整したうえでポアソン回帰分析を行った。喫煙および残存歯数に欠損のない対象者3,414名のうち、喫煙者は全体の4割であった(1,378名(41.6%))。また、喫煙者の9割は紙巻きタバコのみ喫煙していた(紙巻きタバコのみ喫煙:1,339名(40.4%)、新型タバコ喫煙:39名(1.2%))。調査期間中に歯を失った者は773名(23.3%)であった。性、年齢、婚姻状態、飲酒状況、教育歴、世帯等価所得を考慮した上で、残存歯数の減少が非喫煙者に比べて喫煙者で多かった。特に、紙巻きタバコのみ喫煙している者よりも、新型タバコを喫煙している者の方が残存歯数の減少率が高い傾向が示された(紙巻きタバコのみ喫煙IRR(95%CI)=1.174 (0.974-1.414)、新型タバコ喫煙IRR(95%CI)=1.862 (1.188-2.920))。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に引き続き調査を実施している。2022年度に検証した解析結果については予定通り2023年5月に開催された日本口腔衛生学会で発表した。また、既存データを用いて口腔の健康との関連を検証した解析結果については、2024年1月に開催された日本疫学会にて発表した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度からの調査データを整理、連結して2013年-2022年のパネルデータを作成し、全身疾患および口腔の健康との関連について検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表を2件実施したが、論文投稿に至らなかった。次年度、解析結果を再検討し、論文投稿予定である。
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