研究課題/領域番号 |
22K10294
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
辻澤 利行 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60265006)
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研究分担者 |
松原 琢磨 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (00423137)
永野 健一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (60834348)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | フラボノイド / ビグナシアニジン / ノビレチン / 骨芽細胞 / 歯周病 / 骨粗しょう症 |
研究実績の概要 |
骨量が低下し,骨が脆くなる骨粗しょう症は,転倒などで骨折しやすいことから寝たきりの大きな原因となる.そのため超高齢社会の日本では健康寿命の延伸のために骨粗しょう症の予防・治療が重要である.骨組織は骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収が絶えず行われる(リモデリング).そのため,破骨細胞による骨吸収を抑制するか,骨芽細胞による骨形成を促進することが骨粗しょう症の予防や治療の戦略となる. 過剰な活性酸素種(ROS)は生活習慣病や老化の原因であるため,“抗酸化物質”を摂取して“健康を維持する”ことがもはや“ブーム”となり,生命現象に必須のROSシグナルの役割が見落とされがちであり,実際に抗酸化物質の過剰摂取による弊害などが指摘されている.ROSシグナルが過剰に活性化すると骨再生を抑制する.しかし,組織再生の過程ではROSの生成に関わる多様な遺伝子が発現し,適切なROSシグナリング活性化が必須であり,ROSは必ずしも悪者ではない.今回,ROSの制御因子としてビグナシアニジンとノビレチンという2つのフラボノイドに着目した. 培養骨芽細胞株MC3T3-E1細胞や新生仔マウス頭蓋骨由来骨芽細胞を用いて実験を行ったところ,ビグナシアニジンとノビレチンともに骨芽細胞分化の指標であるALP活性やその他骨芽細胞分化マーカーのmRNA量を上昇させた.しかしながら,いずれのフラボノイドも細胞の増殖には影響を与えなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
すでにビグナシアニジンとノビレチンが骨芽細胞分化を誘導することを示せているため.
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今後の研究の推進方策 |
フラボノイドの機能を多角的に解析していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で旅費の支出が予定よりも少なかった.来年度はCOVID-19も終了するため十分に出張旅行と実験が実施できることが予想される.そのため今年度の残金とあわせても計画通りの予算の使用ができると考えている.
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