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2022 年度 実施状況報告書

重症感染症の重篤化と口腔-腸連関の関連性解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K10303
研究機関福岡大学

研究代表者

吉野 綾  福岡大学, 医学部, 講師 (20570914)

研究分担者 近藤 誠二  福岡大学, 医学部, 教授 (10432634)
仲村 佳彦  福岡大学, 医学部, 講師 (20632201)
高田 徹  福岡大学, 医学部, 教授 (90268996)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード口腔 / 全身免疫 / SOFA / PNI / RDテスト / COVID-19 / ECMO
研究実績の概要

重症化COVID-19治療の切り札であるECMO (extracorporeal membrane oxygenation)治療に特化した「ECMOセンター」の患者の口腔衛生状態と全身状態との関連、人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia: VAP)との関連について検討した。
全身状態は、ECMOセンターでの予後とともに、臓器障害の指標としてSOFA(sequential organ failure assessment)スコア(高値=重症)、栄養状態の指標としてアルブミン値とリンパ球数比より算出したPNI(prognostic nutritional index)(低値=免疫不全)などについて調査した。口腔衛生状態は、院内で標準化した口腔アセスメントシートを用いた評価結果をOAG-Fスコア(高値=悪化)として数値換算した。加えて口腔衛生状態の定量的評価を行うには、感染制御の観点から隔離病室からの検体持ち出し・精査に制限があった。そのため、まず隔離病室内で完結できる評価法として唾液中のう蝕病原菌量を判定するパッチテスト「RDテスト」(株式会社ジーシー昭和薬品)を試行した。
その結果、生存・死亡群間の口腔内状態比較では死亡群で退室時の歯肉などのOAG-Fスコアが有意に高値であり、VAP発症死亡群の発症前後1週間のOAG-Fスコアも有意に高値であった。死に至る群は歯肉などの口腔内状態が悪化し、VAP発症例でも同じ傾向を示すことが明らかとなった。また、SOFAとOAG-Fスコア間に正の相関、PNIとOAG-Fスコア間には負の相関を認め、口腔内状態と全身免疫状態は相関すると考えられた。OAG-FスコアとRDテストは正の相関を示し、RDテストは隔離病室内で完結できる口腔衛生定量状態評価法として有用であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

重症感染症の代表例として重症化COVID-19患者における口腔と全身状態の大局的な関連性を評価し、解析結果を発表することができた。
しかし、唾液や糞便を用いた遺伝的構成分析には着手できなかった。

今後の研究の推進方策

COVID-19に限らない重症感染症患者を対象に評価を進める。唾液、糞便などの検体を蓄積し、口腔内・腸内細菌叢の遺伝的構成分析を行う。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、唾液や糞便の遺伝的構成分析は行わなかったため。次年度以降に実施する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Association of the quantitative oral health status of patients with COVID-19 with their organ status and immunity: A single-centre observational study2023

    • 著者名/発表者名
      Aya Yoshino, Yoshihiko Nakamura, Aki Kusu, Mari Fukushima, Yasuhiro Yotsui, Tohru Takata, Hiroyasu Ishikura, Seiji Kondo
    • 雑誌名

      Intensive and Critical Care Nursing

      巻: 77 ページ: 103433-103433

    • DOI

      10.1016/j.iccn.2023.103433

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Usability of the Resazurin Disk Test as a Quantitative Oral Hygiene Assessment Method in an Isolation Ward2023

    • 著者名/発表者名
      Aya Yoshino, Shintaro Ishida, Seiji Kondo
    • 学会等名
      第35回台湾口腔顔面外科学会学術大会
  • [学会発表] ECMO管理を行ったCOVID-19患者の口腔内状態とVAPとの関連2022

    • 著者名/発表者名
      吉野綾, 石田晋太郎, 高田徹
    • 学会等名
      第70回日本化学療法学会西日本支部大会(第92回日本感染症学会西日本地方会学術集会と合同開催)
  • [学会発表] ECMO管理を行ったCOVID-19患者の口腔内状態と全身免疫の関連性について2022

    • 著者名/発表者名
      黒木絢子, 吉野綾, 石田晋太郎, 喜多涼介, 瀬戸美香, 近藤誠二
    • 学会等名
      第55回NPO法人日本口腔科学会九州地方部会

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公開日: 2023-12-25  

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