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2023 年度 実施状況報告書

マナマコ含有ゼリーの継続摂取による口臭抑制効果

研究課題

研究課題/領域番号 22K10315
研究機関岩手医科大学

研究代表者

岸 光男  岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60295988)

研究分担者 矢野 明  公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 研究部長 (50312286)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード口臭 / ナマコ含有ゼリー / 口腔真菌 / Candida albicans / 口腔レンサ球菌
研究実績の概要

2022年度に一般事業所で健全成人を対象に行った調査では、ナマコゼリー摂取群と対照群で真菌とC. albicansは検出率、平均コロニー数とも、摂取後に差がなかった。この原因を追究するため、まずin vitro でナマコの抗真菌活性の再確認を行った。C.albicans SC5314 株培養液中に精製ホロトキシン、ナマコゲル、ナマコエキス等のゼリー原料を添加・混合し、10分後にサブロー寒天プレートへ播種し、35℃、24時間培養し、コロニーを計測して生菌数を算出した。その結果、ナマコの抗菌活性物質であるサポニンの濃度が同一であっても、ナマコゲルではナマコから抽出・脱塩したサポニン抽出物に比べて著しく抗真菌活性が低いことが示された(ナマコゲルの最小増殖阻止濃度3.13-6.25μg/mlに対し、サポニン抽出物0.78-3.13μg/ml)。これによりナマコゲルで使用しているマナマコ体壁消化物の中にはサポニンの抗真菌活性を抑制する何らかの成分が含まれると推察された。その成分の同定は行っていないが、2023年度に、サポニン抽出物を含有した新たなナマコゼリーの開発に取り組んだ。同成分を配合したゼリーはナマコのもつ塩味等がなく、ゼリーの風味の調整が容易であるという利点もあり、臨地研究に用いることとした。この新たな成分を有するゼリーの供試に当たり、以下の理由から高齢者施設を対象とすることとした。すなわち健全成人では、食生活が一様でないだけでなく、嗜好品の摂取状態も多様であること、また本研究は本来介護負担の軽減などを目的として要介護高齢者の口臭軽減を目標としていたこと、である。さらにサポニン抽出物を配合した食品による研究となるためあらためて倫理申請を行って承認された(SCR 2023-102)。その後、対象施設として2施設から研究協力の承諾を得て、調査の準備を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では2023年までに調査を終え、2024年度はまとめに入る予定であったが、サポニンゼリーの成分の改善の必要性とそれに伴う倫理審査などのため、準備が大幅に遅れた。また、昨年5月にCovid-19感染症が感染症法上の5類となったが、その後も高齢者施設での調査を承諾してもらうのにはしばらく時間を要した。しかし、これらはいずれもすでに解決し、2024年度中にはある程度の調査結果が得られるものと確信している。

今後の研究の推進方策

2024年度5月にまず1つの高齢者施設で調査を行う。この調査ではこれまでのナマコゼリーと対照ゼリーに加え、サポニン抽出物を添加したゼリーを供試する。すでに商品会社では当該ゼリーを完成させ、試食に至っている。これまでのゼリーよりも塩味や海産物臭がなく、対象者が積極的に摂取してくれるものと期待している。現在対象者は40名程度登録されている。当該調査の後、もう1つの高齢者施設での調査を予定している。1つめの施設である程度の成果があれば、その段階で公表していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

供試ゼリーの成分の改善が必要となったため、まず食品の開発をおこなった。さらに5類移行後も新型コロナウイルス感染症流行の影響は残っており、高齢者施設での調査が困難であった。しかし2024年度にはすでに2か所の高齢者施設から調査の内諾を得ており、うち1施設については対象者の登録が開始されている。前年度、臨地調査ができなかったため、今年度に行う調査で、培地等の消耗品、対象施設への移動のための交通手段、調査時の委託人件費等に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 健常成人における口臭と口腔真菌との関連2023

    • 著者名/発表者名
      223.佐藤華子、杉山由紀子、矢野 明、佐藤俊郎、大石泰子、阿部晶子、岸 光男
    • 学会等名
      第72回日本口腔衛生学会学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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