研究課題/領域番号 |
22K10317
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
竹田 努 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50750527)
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研究分担者 |
篠原 光代 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (00301507)
浅岡 大介 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30420847)
桑鶴 良平 順天堂大学, 医学部, 教授 (40225313)
永原 章仁 順天堂大学, 医学部, 教授 (00266040)
北條 麻理子 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (60372934)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 機能性消化管疾患 / オーラルフレイル / 腸内細菌 / シネMRI / プロバイオティクス / 慢性便秘症 / 機能性ディスペプシア |
研究実績の概要 |
消化管蠕動運動の評価としてシネMRIを用いた健常者と機能性ディスペプシア患者の胃蠕動運動の評価を検証し、第30回日本消化器病週間JDDW(第64回日本消化器病学会大会)、第114回日本消化器内視鏡学会関東支部例会、第4回機能性腸疾患研究会にて発表した。シネMRIを用いた胃蠕動運動の解析では、胃体部の振幅、蠕動波高や蠕動能が機能性ディスペプシア群に比較し健常群で有意に高値であった。また食後の適応性弛緩を含めた胃蠕動運動の評価が可能であり、消化管蠕動運動の評価に有用であると考えられた。 また機能性消化管疾患と腸内細菌との関連について、慢性便秘症におけるプロバイオティクスの治療効果の検証のため、高齢者慢性便秘症患者に対しビフィズス菌BB536摂取介入のランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ摂取群と比較して、ビフィズス菌BB536摂取群では、「排便回数」の有意な改善、「排便未完遂回数」や「便秘症状重症度(CSS)スコア」の改善傾向を認めた。またビフィズス菌摂取群では「胸やけ」や「嚥下時つかえ」が、後観察期間でも「胃もたれ」、「喉違和感」、「嚥下時つかえ」、「FSSGスコア」において有意な上腹部症状の改善を認めた。Digestive Disease Week2022、第26回腸内細菌学会学術集会、第108回日本消化器病学会総会にて学会発表を行い、論文にて発表した(Am J Gastroenterol. 2022 Dec 23. online)。ビフィズス菌BB536摂取により、高齢者慢性便秘症患者の便秘症状や上腹部症状が改善することが確認され、有効性、安全性が示された。 オーラルフレイルの実態調査としては、外来患者においてオーラルフレイルの評価と消化器症状の調査を施行し患者登録を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
消化管蠕動運動の評価としてシネMRIを用いて胃蠕動運動の評価を検証し学会にて発表した。また機能性消化管疾患と腸内細菌との関連について、慢性便秘症におけるプロバイオティクスの治療効果の検証を行い論文にて発表することが出来た。 またオーラルフレイルの実態調査としては、外来患者においてオーラルフレイルの評価と消化器症状の調査を施行し患者登録を行った。
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今後の研究の推進方策 |
消化管蠕動運動の評価としては、シネMRIを用いた胃蠕動運動の評価について論文作成を予定している。機能性消化管疾患の実態調査としては慢性便秘症の症状とCT所見との関連について論文作成を検討している。またオーラルフレイルの実態調査としては、オーラルフレイルの評価と消化器症状の調査結果をもとに解析を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度では、共同研究施設において腸内細菌分析が可能であったため研究費用が抑えられた。今後は実態調査の解析や発表など費用が発生する可能性があり、研究計画に合わせて適正に使用していく。
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