研究課題/領域番号 |
22K10319
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
加藤 智崇 日本歯科大学, 生命歯学部, 臨床講師 (40724951)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 交流分析 / 行動変容 / 口腔衛生指導 |
研究実績の概要 |
良好なオーラルヘルスのため、プラークコントロールの改善が重要である。しかし、口腔衛生指導を行ってもプラークコントロールが不十分である患者が一定数存在する。一方でプラークコントロールを左右する因子に患者のパーソナリティが考えられるが、詳細な報告は乏しい。心理学や医科分野では、交流分析やスマートフォンアプリを用いた認知行動療法の有効性が報告されており、歯科分野でも心理学を利用した口腔衛生指導が試みられているが術者間の再現性が乏しく、有効性が明らかになっていない。本研究では、術者間のバラつきを抑制するため「交流分析」(TEG:東大式エゴグラムで53問の質問表)を用いて、患者パーソナリティーを評価した。そして、歯周組織検査値や既存の口腔衛生指導といった臨床検査値の関連を明らかにするため、まず、primary studyとして、日本歯科大学附属病院に勤務する歯科医師を対象として、パーソナリティと臨床検査値:歯周組織検査(プラークコントロールレコード、bleeding on probing、 probing pocket depth)との値を比較した。交流分析の各結果(5つのタイプと29のパターン:型)は一部の臨床結果と関連が示唆される所見が得られた。これらの結果をすでに関連学会で発表をおこなった。2022年度終了時では、このprimary studyの結果が得られつつある。そして、この結果を参考にして、実際の患者を対象にした本研究準備をおこなっている。 一方で、プラークコントロールなど歯周病のリスクや患者の受診行動に関する知見を広めるべく、疫学調査もおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度終了時では、依然として新型コロナウイルスの感染拡大が継続しており、対象患者のリクルートが難しく、また、来院患者において、パーソナリティや臨床検査値にバイアスが入る可能性が考えられた。そのため、やや研究は遅れているが、研究内容の大幅な変更をおこなわず、対象患者を広げることで対応を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度において、昨年度のprimary studyの結果をもとにして、対象患者を広げて、交流分析と歯周病に関する臨床検査値との相関を明らかにすることを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の購入予定であった医療機器(口腔内写真用カメラ等)が半導体不足の影響で未購入であったため、次年度に購入を予定する。
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