研究課題/領域番号 |
22K10332
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下地 伸司 北海道大学, 大学病院, 講師 (30431373)
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研究分担者 |
後藤 まりえ 北海道大学, 大学病院, 助教 (40374540)
竹生 寛恵 北海道大学, 大学病院, 助教 (40609103)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | XR技術 / VRゴーグル / 精神鎮静法 / 安心・安全な歯科治療 |
研究実績の概要 |
研究者はこれまでに超高齢社会に向けた安心・安全な歯科治療の実現を目的として簡便なストレス軽減法について新規開発自律神経活動モニターシステムを用いて検討を行ってきた。その結果、歯科治療中にリラックス効果の高いとされている音楽を聴かせる音楽療法やアロマテラピーを用いることで、交感神経活動が抑制されることを明らかにし、それらの方法がストレス軽減効果があることを示してきた。 一方、それらの効果は限局的でえ効果もやや弱いため、より持続的に安心・安全な歯科治療を行うためには患者のみならず医療者のストレスを減らすことも考え、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などを複合したXR技術の歯科治療時のストレス軽減への応用について検討を行うことにした。 本研究では、最初にXR技術を応用するためにVRゴーグルを用いた仮想空間の提供についてその使用感を中心に他の精神鎮静法との比較を予備実験として行った。結果は、使用感についてはVRゴーグルは音楽療法や温熱療法に比べて装着による違和感が大きく、想定されていた没入感も少ない結果となった。また着脱時のストレスも大きいため実際の診療に用いる前に種々の改善が必要となることが明らかになった。 そこで、本年度はVRゴーグルからARグラスを用いた方法に変更し、検討を進めた。さらに簡便な精神鎮静法については、被験者によって好みが大きく異なるため、患者に応じて適切な方法を選択できるシステム構築が必要と考えられたが、それらについても今後、検討が必要となることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度から実際の診療時を対象とする前段階として歯科学生および研修歯科医を対象として種々の精神鎮静法についてその使用感を中心に評価し、改善方法を検討してきた。 その結果、VRゴーグルに関しては、その重量感、圧迫感、着脱しにくさが問題となり、新たな方法としてARグラスによる仮想空間の提供について検討を始めたため、進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、歯科治療時の簡便なストレス軽減法としてXR技術を応用するために、その使用感を中心に種々の精神鎮静法との比較検討を行った。その結果、VRゴーグルを歯科診療時に応用するのは、種々の問題があるため、新たにARグラスの使用について検討を進めてきた。次年度は、それらの問題点を解決し、実際の歯科治療中の効果について検討を進めていく。 さらに、温熱療法や呼吸法についても有効性が示唆されたため、複数の方法をハイブリッドして用いることでさらに効果が増すかについても次年度以降、検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備実験が続いたため、学会発表、論文投稿に関わる費用を用いることがなかった。 次年度は、それらに使用予定である。
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